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カヤック一人旅:淀川→大阪湾岸編 その9:芦屋海岸~兵庫運河

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前回の記事では、大阪市の安治川河口から芦屋市にある兵庫県立海洋体育館まで漕いだ様子を案内しました。
よろしければ、前回の記事をご覧ください。

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「カヤック一人旅」全行程を挙げますと、下図の通りです。

図1.カヤック一人旅:全行程
Δ図1.カヤック一人旅:全行程
奥琵琶湖 → 姫路

今回の記事では、兵庫県立海洋体育館から出発し、神戸港の人工島の間をくぐり抜け、兵庫運河の元貯木場までを漕ぎます。

途中、海から見た神戸港の様子や、日本最大の運河である兵庫運河の様子について案内します。
そこにはかつて、平清盛が築いた「大和田の泊」跡地や兵庫城跡などの史跡があります。
また、その周辺では数多くの歴史ドラマがありました。
それらについても触れたいと思います。

目次

25.カヤック一人旅:兵庫県立海洋体育館

兵庫県立海洋体育館の近くの駐車場に停めてあったキャンピングカーの中で、朝目覚めます。
お湯を沸かし、コーヒーを飲みながら、壁に貼ってある地図を見て、どこまで漕ぐかを考えます。

25-1.カヤック一人旅:11日目ルート図

ゴール地点として想定しているのは、神戸港にある兵庫運河というポイントです。
ただし、神戸港の人工島の中を漕ぎますので、大小様々なタイプの船と行きかうことになり注意を要します。
客船やタンカークラスになりますと、おそらく小さなカヤックの存在に気が付かない可能性があります。
したがって、大きな船には近寄らないようにしなければなりません。
11日目のカヤック行程は、下図の通りです。

図2.カヤック一人旅:11日目ルート
Δ図2.カヤック一人旅:11日目ルート
芦屋 → 兵庫運河

25-2.兵庫県立海洋体育館

「カヤック一人旅その1・その8」でも簡単に触れましたが、兵庫県立海洋体育館は、ヨット・カヤックを講習している教育施設です。
場所は、芦屋市海岸部に位置します。
初心者から競技をされている上級者まで、幅広く利用されています。

講習料金ならびにヨットやカヤックのレンタル料金も、リーズナブルな価格設定になっており利用しやすいです。
最寄駅(阪神電鉄:打出駅)から徒歩10分で到着しますので、ヨットやカヤック・カヌーを始めたい方はおすすめします。
兵庫県南部や大阪北部に在住の方でしたら、電車にて日帰りで気軽に利用できます。
末尾に公式WEBサイトのアドレスを記載しますので、関心のある方はご覧ください。

神戸新聞社がヨット講習を取材したYouTube動画がありますので、ご覧ください。

Δ動画1.兵庫県立海洋体育館:ヨット講習
(出所:神戸新聞社)

筆者もここでカヤックの講習を受け、3か月ほど一人で練習した後に、「カヤック一人旅」を始めました。
また、後日カヤックに帆を付けることになりますが、風のとらえ方を学ぶために、ヨット講習も受けました。

図3.兵庫県立海洋体育館:施設平面図
Δ図3.兵庫県立海洋体育館:施設平面図
(出所:兵庫県立海洋体育館)※1

久しぶりに戻ってきたので、懐かしさもあり、しばらく回りを散策することにしました。

25-3.キャンピングカーをゴール地点へ移動

キャンピングカーを本日のゴール地点である兵庫運河沿いの駐車場へ移動します。
そこでカヤックの入ったカバンや装備類一式を台車に載せ、それを押しながら最寄り駅である神戸高速鉄道の大開駅へ向かいます。阪神電車に乗り、打出駅で下車、兵庫県立海洋体育館へ向かいます。
カバンからカヤックの部品を取り出して組立て、台車をカヤックに積載して出発です。



26.カヤック一人旅:芦屋を出発

写真3.荷物を積載したカヤック
Δ写真3.荷物を積載したカヤック

兵庫県立海洋体育館を後にし、神戸港の一角にある兵庫運河を目指します。

図4.カヤック一人旅:11日目スタート地点
Δ図4.カヤック一人旅:11日目スタート地点
芦屋 → 神戸港

26-1.潮芦屋地区マリーナビレッジ(係留施設付住宅)

出発して間もなくのところに、「潮芦屋地区マリーナビレッジ(係留施設付住宅)」があります。
一般の住宅に乗用車の駐車場があるのと同様に、ボートの係留施設があります。
マリンライフを、日常のワンシーンとして楽しむことができる住宅の仕様です。

写真4.潮芦屋地区マリーナビレッジ
Δ写真4.潮芦屋地区マリーナビレッジ
(航空写真)
潮芦屋地区マリーナビレッジ(出所:兵庫県企業庁)
Δ写真5.6.7.8.潮芦屋地区マリーナビレッジ
(出所:兵庫県企業庁)

筆者は、潮芦屋地区マリーナビレッジ見学をさせてもらったことがあります。
ただただ、海の近くでの生活にあこがれました。

26-2.神戸港:六甲アイランドを通過

人工島に挟まれた水路を漕いで沖合に出ますと、すぐ目の前に六甲アイランドが見えます。
大きな船が停泊していますので、動き出したらその波でかなり揺らされます。
動き出す前に、さっさと通過しなければなりません。

図5.カヤック一人旅:11日目、六甲アイランド・ポートアイランド通過地点
Δ図5.カヤック一人旅:11日目
六甲アイランド・ポートアイランド通過地点

ちなみに下の写真は、六甲アイランドに停泊している「フェリーさんふらわあ」をカヤックから撮影したものです。

Δ写真9.六甲アイランドに停泊する「フェリーさんふらわあ」(カヤックから撮影)
Δ写真9.六甲アイランドに停泊する「フェリーさんふらわあ」
(カヤックから撮影)

進行方向には六甲アイランドに架かる東側の橋である阪神高速5号湾岸線が現れました。

阪神高速5号湾岸線を通過しますと、次に現れるのは六甲アイランドに架かる西側の橋である六甲大橋です。
ちょうど新交通システムが橋上を走っています。

26-3.神戸港:ポートアイランドを通過

六甲アイランドを通過しますと、前方にポートアイランドが見えてきました。
ポートアイランドに架かる神戸大橋も見えてきました。

進行方向左手に、海上保安庁の船が停泊しています。
そのすぐそばを通過した後、神戸大橋を潜りました。
神戸大橋を潜りますと、目の前に

  • オリエンタルホテル
  • 神戸海洋博物館
  • ポートタワー
  • ホテルオークラ
  • Umie

といった海の繁華街に出てきます。

当然、多くの観光船が行きかいますので、その中をぬって漕がなければなりません。
様々な観光船をかわして何とか横断できました。
観光船に乗船している女子高生が、「キャッキャ」言いながら手を振ってくれたのに対し、手を振り返しながら漕ぐのも、なかなか良い気分でした。



27.カヤック一人旅:ゴールの兵庫運河に入る

Umie、川崎重工業の神戸造船所を通過しますと、いよいよゴール地点の兵庫運河に入ります。

図6.カヤック一人旅11日目:ゴール地点
Δ図6.カヤック一人旅11日目:ゴール地点

27-1.新川運河

兵庫運河に入る手前に新川運河があります。
先ず新川運河に入り、漕ぎ進みますと大和田橋と水門が現れます。

大和田橋の辺りは、平安時代に平清盛が「大輪田の泊」という港を宋との貿易のために開港したところです。

図7.平清盛
Δ図7.平清盛

また、源平合戦の一つである「一の谷の合戦」や、楠木正成が最期を遂げた足利尊氏との「湊川の合戦」も、この近くで行われています。

さらに、新川運河沿いには、かつて兵庫城がありました。
明治維新による廃藩置県により、初代兵庫県庁は兵庫城に置かれました。
ちなみに、初代兵庫県知事は、初代総理大臣にもなった伊藤博文です。

図8.伊藤博文
Δ図8.伊藤博文

その後、兵庫県庁は移転され、昔の兵庫城の面影は、石碑として残っているだけです。

27-2.兵庫運河

新川運河を通過しますと、連続して兵庫運河となります。

兵庫運河は、水面積が約34haあり、日本最大級の運河です。
兵庫は「兵庫津」と呼ばれる港を中心として栄えました。
しかし、現在の和田岬周辺が船の難所となり、被害が大きかったことから、兵庫運河が計画されました。
その経緯は下記の通りです。

  • 1874年(明治07年):着工
  • 1876年(明治09年):船舶の避難地として新川運河だけ完成
  • 1896年(明治29年):着工
  • 1899年(明治32年):兵庫運河全体の完成

現在の兵庫運河は、新川運河・兵庫運河・兵庫運河支線・苅藻島運河・新湊川運河で構成されています。

図9.兵庫運河平面図
Δ図9.兵庫運河平面図
(出所:神戸市)※3

27-3.JR和田岬線:和田旋回橋

兵庫運河に入ってしばらく漕ぎますと、途中運河がボトルネック状に狭くなっている箇所があります。
そこに国内でも珍しい橋が架かっています。

日本最古であり、最初の鉄道可動橋である和田旋回橋が、JR和田岬線の兵庫運河に架かる橋梁として存在しています。
ただし、現在は回転機構が全て撤去された状態で、旋回することはありませんが、鉄道橋として現役で利用されています。

27-4.ゴール地点:元貯木場

和田旋回橋を通過し、しばらく漕ぎますと、本日のゴール地点である元貯木場に到着です。
現在は、レガッタの練習場として使われており、護岸近くの建物には艇庫やトレーニング施設もあります。

カヤックを陸に上げて解体し始めます。
その部材をカバンに詰込み、台車に載せ近くの駐車場に停めてあるキャンピングカーへ向かいます。
後片付けをして、シャワーを浴び、ベッドに寝転んでしばらく休憩です。

27-5.居酒屋で一人酒

少し体力が回復しますと、酒と肴が欲しくなります。
ここは神戸卸売市場に近いこともあり、新鮮な肴を食べることができます。
肴は店主にお任せで、造りの盛り合わせを頼み、日本酒は神戸ということもあり、「福寿」を冷で、「菊正宗」を熱燗で頼みました。

スマホで地図を見ながら、次のゴール地点のことを既に考えています。
とりあえず、明石海峡大橋まで漕ぎ、大阪湾のカヤック一人旅を終わらせようと思います。

カウンターの隣に座っている客が、たまたま若い頃にラグビーをやっていたことが分かり、ラグビー談議に花が咲きました。
筆者も高校・大学・社会人と10年間ラグビーをやっていました。
ポジションは、スクラムハーフといい、長いパスを出して攻撃の起点となります。
相手はスクラム最前線のフッカーというポジションでした。
ラグビーワールドカップのことで深夜まで、名前も知らない相手と共に、飲み語り合いました。

次回の記事は、下記をクリックしてご覧ください。

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参考・引用WEBサイト

※1 兵庫県立海洋体育館

http://ashiyamarine.sakura.ne.jp/

※2 「潮芦屋Gゾーン(マリーナビレッジ」
    事業者:(株)マリーナジャパン
    兵庫県企業庁

https://web.pref.hyogo.lg.jp/kc11/ea05_000000013.html

※3 「兵庫運河マップ」
    神戸市

https://www.city.kobe.lg.jp/a74227/kurashi/activate/ungakasseka/ungaimamukasi/ungamap.html

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この記事を書いた人

◆有限会社エクセイト研究所◆

職務:代表取締役
業務:不動産コンサルタント
   不動産投資(大家業)
   不動産ライター・ブロガー
資格:一級建築士
   1級土木施工管理技士
   宅地建物取引士
   測量士
   定借アドバイザー
   マスタースキューバダイバー
認定:プロクラウドワーカー
   認定ランサーズ
趣味:カヤック一人旅
   水辺ウォーキング
   スキューバダイビング
   メタバース:まちづくり
   サックス:JPOP、JAZZ
   

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