大阪市内を南北に流れる川の一つに木津川があります。
その木津川に「川の交差点」(十字路)と呼ばれる個所があります。
「川の交差点」には、木津川に架かる大正橋があります。
大正橋の左岸北側橋詰に「大地震両川口津波記」という石碑が建ちます。
この記事では、その現代語訳を掲載します。
1.「大地震両川口津波記」の位置
「大地震両川口津波記」は、大阪市内を南北に流れる木津川に架かる大正橋の左岸北側橋詰にあります。
1-1.木津川の位置
木津川の位置は、下図の通りです。
淀川から分岐する大川・土佐堀川からさらに分岐し、大阪港へ注ぎます。
1-2.「大地震両川口津波記」の位置
「大地震両川口津波記」の位置は下図の通りです。
木津川に架かる大正橋の左岸北側橋詰にあります。
なお、木津川ウォーキングについては、下記の記事をご覧ください。
2.「大地震両川口津波記」の現代語訳
写真2の石碑のそばに、現代語訳された案内板があります。
案内板の記載内容を引用します。
大地震両川口津波記
嘉永7年(1854年)、6月14日午前零時ごろに大きな地震が発生した。
大阪の町の人々は驚き、川のほとりにたたずみ、余震を恐れながら4,5日の間、不安な夜を明かした。
この地震で、三重や奈良では死者が数多く出た。
同年11月4日午前8時ごろ、大地震が発生した。
以前から恐れていたので、空き地に小屋を建て、年寄りや子供が多く避難していた。
地震が発生しても水の上なら安心だと小舟に乗って避難している人もいたところへ、翌日の5日午後4時ごろ、再び大地震が起こり、家々は崩れ落ち、火災が発生し、その恐ろしい様子がおさまった日暮れごろ、雷のような音とともに一斉に津波が押し寄せてきた。
安治川はもちろん、木津川の河口まで山のような大波が立ち、東堀まで1.4メートルの深さの泥水が流れ込んだ。
両川筋に停泊していた多くの大小の船の碇やとも綱は切れ、川の流れは逆流し、安治川橋、亀井橋、高橋、水分橋、黒金橋、日吉橋、汐見橋、幸橋、住吉橋、金屋橋などの橋は全て崩れ落ちてしまった。
さらに、大きな道にまで溢れた水に慌てふためいて逃げ惑い、川に落ちた人もあった。
道頓堀川に架かる大国橋では、大きな船が川の逆流により横転し川をせき止めたため、河口から押し流されてきた船を下敷きにして、その上に乗り上げてしまった。
大国橋から西の道頓堀川、松ヶ鼻までの木津川の、南北を貫く川筋は、一面あっという間に壊れた船の山ができ、川岸に作った小屋は流れてきた船によって壊され、その音や助けを求める人々の声が付近一帯に広がり、救助することもできず、多数の人々が犠牲となった。
また、船場や島ノ内までまで津波が押し寄せてくると心配した人々が上町方面へ慌てて避難した。
その昔、宝永4年(1707年)10月4日の大地震の時も、小舟に乗って避難したため津波で水死した人も多かったと聞いている。
長い年月が過ぎ、これを伝え聞く人はほとんどいなかったため、今また同じように多くの人々が犠牲となってしまった。
今後もこのようなことが起こり得るので、地震が発生したら津波が起こることを十分に心得ておき、船での避難は絶対してはいけない。
また、建物は壊れ、火事になることもある。
お金や大事な書類などは大切に保管し、なによりも「火の用心」が肝心である。
川につないでいる船は、流れの穏やかなところを選んでつなぎ替え、早めに陸の高いところに運び、津波に備えるべきである。
津波というのは沖から波が来るというだけではなく、海辺近くの海底などから吹き上がってくることもあり、海辺の田畑にも泥水が吹き上がることもある。
今回の地震で、大和の古市では、池の水があふれ出し、家を数多く押し流したのも、これに似た現象なので、海辺や大きな川や池のそばに住む人は用心が必要である。
津波の勢いは、普通の高潮とは違うということを、今回被災した人々はよくわかっているが、十分心得ておきなさい。
犠牲になられた方々のご冥福を祈り、つたない文章であるが、ここに記録しておくので、心ある人は時々碑文が読みやすいよう墨を入れ、伝えてほしい。
安政2年(1855年)7月建立
Δ「大地震両川口津波記」
3.まとめ
「大地震両川口津波記」には、当時の被害の凄まじさががよく記されています。
道頓堀川に架かる西道頓堀橋の橋詰に水防碑がありました。
そこには、「災害は忘れたころにやってくる」と記されています。
物理学者である寺田寅彦の残した言葉です。
もっとも寺田虎彦は、「天災は忘れた頃にやってくる」と言っていますが!
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