住宅の建築構造には、
・鉄筋コンクリート造(RC造)
・鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)
・鉄骨造(S造)
・木造(W造)
などがあります。
その中で、一番高い割合を占める建築構造は木造で、約7割を占めます。
木造は大きく分類して
・木造軸組工法
・木造枠組壁工法
があります。
この記事では、
- 木造住宅工法の種類
- 木造枠組壁工法のメリット
- 木造枠組壁工法のデメリット
について解説します。
1.木造住宅工法の種類

木造住宅工法の種類は、大きく分類して
・木造軸組工法(在来工法)
・木造枠組壁工法
になります。
それぞれの特徴について解説します。
1-1.木造枠組壁工法
建物を面で構成させるイメージです。

(出所:一般社団法人 日本ツーバイフォー建築協会)※1
1-1-1.木造枠組壁工法の特徴
建築規定により壁・床・天井の面を造り、その面を配置して建物を造り上げます。
・耐久性
・耐震性
・耐風性
に優れた建物となり、建築工期も短期間で済みます。

(出所:一般社団法人 日本ツーバイフォー建築協会)※1
1-1-2.ツーバイフォー(2×4)工法
枠組壁工法の一つにツーバイフォー工法があります。
ツーバイフォー工法による2インチ×4インチの規格材を含めて、6種類の規格材が用いられています。
- ツーバイフォー(2×4)材
- ツーバイシックス(2×6)材
- ツーバイエイト(2×8)材
- ツーバイテン(2×10)材
- ツーバイトゥエルブ(2×12)材
- フォーバイフォー(4×4)材

(出所:一般社団法人 日本ツーバイフォー建築協会)※2
1-2.木造軸組工法
柱・梁・桁・土台などで軸組み(骨組み)を形成し、建物を線で構成させるイメージです。

1-2-1.木造軸組工法の特徴
強度は、柱・梁・桁の太さにより左右され、一般的な住宅では柱材として120mm四方の角材が用いられています。
耐久性は、利用のされ方により左右されますが、住宅の場合ですと30年~60年は住むことができます。
最近では、「100年住宅」と叫ばれるようになり、建築寿命は建材の進歩とともに延びています。
法隆寺などの建築物は、大黒柱などに太さ500mm前後のひのき材が用いられており、築1,300年経過した現在でも、その威容を誇っています。

1-2-2.木造軸組工法のメリット
- メリット1は、設計自由度が高い点です。
土台・柱・梁・桁で構成されているため、壁を設置する自由度が高くなり、様々な間取りに対応可能です。 - メリット2は、リフォーム・リノベーションがし易い点です。
壁を取り払い、部屋と部屋とをつなげることや、増築なども容易にできます。 - メリット3は、比較的広い開口部を造ることが可能な点です。
柱と柱との間に広い開口部を容易に設けることが可能です。 - メリット4は、施工会社が多い点です。
日本古来の建築工法ということもあり、全国に施工可能な工務店があります。
その分、建築主の趣向に合う工務店を選択することが可能です。

1-2-3.木造軸組工法のデメリット
- デメリット1は、枠組壁工法と比較しますと、建築工期が長い点です。
現場作業の割合が大きく、天候にも左右され易く、現場作業が多いことが原因です。 - デメリット2は、仕上がり品質に差が生じやすい点です。
自然材料を使用しますので、木材の生産地の違いによっても材質に違いが出ます。
また、大工の経歴や技能によっても建築品質に違いが生じます。 - デメリット3は、建築費が、枠組壁工法と比較しますと高くなる点です。
建築工期が長くなる分、大工などの職人の人件費がかかります。
以上、木造軸組み工法のメリット・デメリットをまとめますと下表の通りです。

2.木造枠組壁工法のメリット

2-1.メリット1:耐風性・耐震性が高い
木造枠組壁工法は、面で形成された六面体により、構造強度を発揮する建築構造です。
(上記図1参照)
台風などの強風にも強い構造となり、耐震性にも優れた建築構造となります。

2-2.メリット2:短工期で家が建てられる
木造枠組壁工法は、木造軸組工法と比較しますと、工期が短くなります。
建築材料が規格化・システム化されますので、建築現場での作業量が減少するからです。
2-3.メリット3:気密性が高い
枠組壁工法は、枠組みによる面を連結させることで、隙間が生じにくくなり、気密性・断熱性に優れます。
2-4.メリット4:職人の腕に左右されない
枠組み壁工法は、使用する角材の規格が統一され、
・釘の大きさ
・打ち込む間隔
まで細かい規定があります。

(出所:一般社団法人 日本ツーバイフォー建築協会)※1
したがって、職人の技術や経歴に左右されにくいというメリットがあります。
一般社団法人日本ツーバイフォー建築協会では、ツーバイフォー工法建築物で使用する構造用部資材について、主に設計者や施工者を対象として一覧表を作成・公開しています。
・個々の部資材に関する枠組壁工法技術基準告示
・住宅金融支援機構の基準上の位置づけ
・公的認定規格
などを知るためのツールです。
下表は、公表されている面材(*1)一覧表の一部です。

(出所:一般社団法人 日本ツーバイフォー建築協会)※2
*1 面材
面材とは、床材、壁材または屋根下地で、枠組にくぎ打ちする下張り材を意味し、枠組材と一体となって、面内せん断力、面外曲げ、衝撃力等に抵抗する重要な役割を果たす材料
3.木造枠組壁工法のデメリット

3-1.デメリット1:開口を大きくしづらい
壁を形成する枠材の中には、上端から下端に差し込む角材が数本以上入ります。
その1本1本が、建物自重を支える強度を負担するため、切断や取り払うことが不可能です。
そのため、軸組工法のように大きな開口を設けることができません。
3-2.デメリット2:湿度が高くなりがち
気密性・断熱性が高いというメリットの裏返しで、内外の温度差が大きくなり、
・結露が生じやすい
・湿度が高くなりやすい
傾向になります。
したがって、カビやダニ、シロアリなどが発生し易い環境になります。

それらを発生させないためにも、換気をマメに行うなどの結露対策が必要となります。
3-3.デメリット3:間取の自由度が低い
枠材で形成された面により部屋が構成されるため、間取りの自由度は低くなります。
木造軸組工法は、柱・梁・桁・土台が建物の自重を支え、耐震・耐風強度を保有します。
したがって、壁自体を取り払い、部屋を連結させて広くすることが可能です。
木造枠組壁工法は、壁自体が建物の自重を支え、耐震・耐風強度を保有します。
したがって、木造軸組工法のように壁全体を取り払うことができず、リノベーションするにもかなりの制約を受けます。
例えば、子供がいる世帯において将来子供が成人して巣立ち、夫婦二人世帯になった際、ライフスタイルの変化に合わせてリビングを大きくするなどの間取り変更を検討したいところです。
木造軸組工法であれば容易にできますが、木造枠組壁工法では困難になります。
3-4.デメリット4:狭小地・変形地に対応しにくい
軸組工法は、柱の配置の自由度が高いため、狭小地・変形地にも対応し易い建築構造となります。
枠組壁工法は、六面体の箱により建物を構成するため、狭小地や変形地に対応しにくい建築構造となります。
以上、木造枠組壁工法のメリット・デメリットをまとめますと下表の通りです。

4.まとめ

以上、
- 木造住宅工法の種類
- 木造枠組壁工法のメリット
- 木造枠組壁工法のデメリット
について解説しました。
木造軸組工法は線で支え、木造枠組壁工法は面で支える建築構造です。
5.お役立ち情報案内
注文住宅に関するお役立ち情報を案内します。
ご活用ください。
5-1.【タウンライフ家づくり】間取りプラン無料作成
◆サービス概要◆
- 全国1,000社以上の注文住宅会社があなたの要望や希望に基づいて、家づくりに必要な
「間取りプラン」
「資金計画」
を無料でご提案するサービスです。 - ネットで簡単に複数の住宅会社に、オリジナルの「家づくり計画書」を依頼することができます。
◆メリット◆
- 住宅展示場に行ったり、何度も複数の住宅会社に会わなくても、自宅で家づくりが進められる!
- 複数社のプランを比較・検討できる!
- 利用は全て無料!
なお、「タウンライフ家づくり」については、下記の記事をご覧ください。

5-2.注文住宅無料資料請求サイト【持ち家計画】
◆サービス概要◆
一度の入力で、複数の
・ハウスメーカー
・工務店
に無料資料請求・来場申込が出来るサイトです。
注文住宅で家を建てたいと思っていても、どこに依頼したら良いか悩む人は多いはず。
持ち家計画では、一度の入力で全国100社以上の住宅メーカーからお客様の条件やご希望に合った企業を選ぶこ とができるので、依頼先の検討に最適です。
◆メリット◆
無料資料請求だけでなく、全国(離島など一部除く)のハウスメーカーを選択でき、 自宅近くの展示場・店舗への来場申込が可能です。
なお、「持ち家計画」の詳しい内容につきましては、下記の記事をご覧ください。

5-3.建設業界専門の転職支援サービス【RSG Construction Agent】転職・求職者募集
◆サービス概要◆
『RSG Construction Agent』は、建設業界に特化した転職支援サービスを提供しております。
建設・人材業界出身のコンサルタントが、 一人一人の求職者を担当し、高いマッチング力とフォロー体制で、入社までサポートします。
◆選ばれる4つの理由◆
- 業界に精通したプロが対応
- 月収UP率99%以上/年収1.2倍〜1.5倍UPへ
- 充実した転職サポート
- 業界トップクラスの求人案件数
6.参考・引用Webサイト
※1 一般社団法人 日本ツーバイフォー建築協会
※2 「面材」
一般社団法人 日本ツーバイフォー建築協会
https://www.2x4assoc.or.jp/technology/zairyo/file/05_1.pdf
7.建築関連記事







コメント