住宅購入を検討されている方の中に、
「住宅ローン借入可能額は、いくらになるのだろうか?」
「年収の何倍くらいが目安になるのだろうか?」
と、お悩みの方はいませんか?
実は、年収の6.8倍が、安全ラインといえる一つの目安となります。
この記事では、
- 住宅ローンの借入可能額は年収×倍数で検討
- 【年収別】住宅ローンの借入可能額と返済額の早見表
- どれ位の物件購入が可能なのか?
- ライフプラン作成
- 住宅ローン借入の注意点とポイント
について解説します。
ライフプランと住宅ローン返済とを重ね合わせて検討・計画することにより、強固な生涯資金計画を築くことができます。
1.住宅ローンの借入可能額は年収×倍数で検討

住宅ローン借入を検討する際、
「借入可能額は、年収の何倍まで考えることができるだろうか?」
と、考えます。
希望に近い住宅を購入するには、借入額を多くする必要があります。
しかし、毎月のローン返済額も多くなります。
借入額を少なくして、住宅を購入しますと、毎月のローン返済額も少なくなります。
しかし、希望からは遠い住宅になる可能性があります。
その折り合いをつけることが大切です。
一つの目安として住宅を購入する場合、借入可能額ではなく、年収の何倍までなら良いのかを検討します。
1-1.2021年度フラット35利用者調査:自己資金割合は7%〜18%
住宅金融支援機構による「2021年度フラット35利用者調査」より、住宅ごとの
・所要資金
・世帯年収
・自己資金
・年収倍率
を下表にまとめます。

(出所:住宅金融支援機構)※1
表1より言えることは、自己資金割合は、平均して約7%~18%となります。
新築住宅の場合、年収倍率の単純平均は、約7.1倍となります。
中古住宅の場合、年収倍率の単純平均は、約5.8倍となります。
なお、自己資金(頭金)の目安については、下記の記事をご覧ください。

1-2.住宅所要資金・年収倍率・総返済負担率の推移
1-2-1.住宅所要資金の推移
住宅所要資金の推移は、下図の通りです。

(出所:住宅金融支援機構)※1
マンションを除く融資区分において、所要資金が前年度より上昇しています。
1-2-2.年収倍率の推移
年収倍率の推移は、下図の通りです。

(出所:住宅金融支援機構)※1
全ての融資区分において、年収倍率※は、前年度比横這い又は前年度より緩やかに上昇しています。
1-2-3.総返済率負担率の推移
総返済率負担率の推移は、下図の通りです。

(出所:住宅金融支援機構)※1
総返済負担率:25%以上の割合が増加し、平均値が上昇しています。
(平均値:22.7%、前年度比0.5ポイント上昇)。
2.【年収別】住宅ローンの借入可能額と返済額の早見表

住宅ローン年間返済額の安心ラインは、返済比率:25%前後(*2)といわれています。
2-1.年収別の借入可能額と返済額の早見表
このデータを基にして、年収300万円~2,000万円に対する借入可能額を挙げます。
また、その借入可能額に対する毎月の返済額、総返済額を下表にまとめます。
住宅ローンの条件は、
・借入可能額:年収の6.8倍
・金利:1.5%(元利均等返済)
・返済期間:35年
・ボーナス時加算無し
に設定します。

(返済比率:25%)
返済比率:25%以内に設定しますと、借入可能額は年収の6.8倍になりました。
ちなみに、住宅金融支援機能のフラット35の場合、
- 年収400万円未満の場合:返済比率は30%以下
- 年収400万円以上の場合:返済比率は35%以下
となりますので、住宅ローン借入可能額は、表2よりも増加します。
つまり、安全圏を超えた融資となります。
2-2.家賃からみる住宅ローンの借入可能額
住宅ローン借入額は、賃貸住宅の家賃を基にして決めますと、取組みやすくなります。
表3は、家賃を基にして、住宅ローン借入可能額・返済額をまとめたものです。
ローン条件は、
・借入可能額:年収の6.8倍
・金利:1.5%(元利均等返済)
・返済期間:35年
・ボーナス時加算無し
に設定します。

3.どれ位の物件購入が可能なのか?

住宅購入費の目安は、頭金と住宅ローン返済額との和になります。
ローン返済額は、毎月のことになりますので、無理なく返済できる金額の設定が大切です。
3-1.住宅購入の可能性を判断するための計算方法
住宅を購入する場合、
・頭金として準備できる金額
・毎月無理なく返せるローン返済額
との和で考えると良いです。
他にも自動車ローンや教育ローンなどがある場合、それらも加味した資金計画を立てる必要があります。
3-2.頭金
頭金は、住宅の購入時諸経費
・住宅ローン事務手数料
・不動産会社への仲介料
・不動産取得税
・登録免許税
・司法書士報酬
くらいは準備しておきたいものです。
住宅の購入形態
・新築マンション
・中古マンション
・新築戸建て
・中古戸建て
などによっても、購入時諸経費は異なりますが、概ね3%~8%位となります。
頭金として約25%前後を準備しておきますと、ローン借入額もその分減りますので、楽になります。
なお、住宅ローンの頭金については、下記の記事をご覧ください。

3-3.住宅ローン返済額
住宅ローン返済額は、他のローンとも鑑みて、年収の25%以内が安心ラインです。
多くとも年収の30%~35%以内に抑えることが大切です。
なお、住宅ローンの仮審査については、下記の記事をご覧ください。

4.ライフプランを作成

住宅ローンの借入可能額は、上記内容で検討がつけられます。
しかし、人それぞれ事情が違いますので、将来設計に基づいた資金計画を立てる必要があります。
いわゆるライフプランです。
ライフプランは、
・ライフイベント表
・キャッシュフロー表
を作成することで、具体化することができます。
4-1.ライフイベント表の作成方法
ライフイベント表の具定例を下表に示します。

住宅ローンの返済期間を35年に設定した場合、すくなくとも35年のライフプランを立てる必要があります。
そうしますと、様々なイベントごとに収支が悪化することが、事前に明確になり、備えることができます。
4-2.キャッシュフロー表の作成方法
キャッシュフロー表の具体例を下表に示します。

住宅を購入する際、このライフプランに住宅ローンを加味することで、支出がさらに増加します。
事前に、
・住宅購入時期
・家計収支のやり繰り
が見えてきますので、計画的に対処することができます。
5.住宅ローン借入の注意点とポイント

住宅ローン借入の注意点は、
・貯金を全額頭金にしないこと
・無理なく返済できること
・返済額のシミュレーションをすること
などです。
ポイントは、
・返済開始年齢を早くすること
・中古住宅も検討すること
などです。
5-1.貯金を全額頭金にするのはやめる
頭金として、預貯金の全てを充てる必要はありません。
突然の出費に備えるための生活予備費や預貯金などは、最低限度残しておく必要があります。
人により、生活予備費などの金額は異なりますが、目安として生活費の半年分位は取っておくほうが良いです。
いざという時、手元に現金が無いと困ります。
5-2.無理のないローン返済額に設定
住宅ローンにて、返済能力の限度額一杯まで借入をしますと、必ず生活費や教育費などに、しわ寄せがいきます。
10年後に、
・子供の進学に影響
・趣味やレジャー費用が無い
などといった事態です。
万が一、リストラの憂き目にあいますと、目も当てられない状況に陥ります。
決して返済額は無理せず、安全ラインを確保するようにします。
5-3.毎月のローン返済額をシミュレーション
返済比率を何%に設定するかで、毎月の返済額が大きく違ってきます。
上記でも解説しましたが、返済比率は、年収に対する年間返済額の割合です。
安全ラインは25%ですが、フラット35は35%に設定されています。
その分、生活費にしわ寄せがいきます。
【事例1】
年収400万円の場合、
返済比率が25%だと、毎月の返済額は約8.3万円
返済比率が35%だと、毎月の返済額は約11.7万円
となります。
この差は、3.4万円となります。
5-4.返済開始年齢は早い方が良い
住宅ローンの返済開始年齢は、定年退職を考慮しますと、それまでに完済するために早い方が良いです。
65歳定年の会社に勤めている場合、住宅ローンの返済期間を35年に設定しますと、30歳までにローンを組めば、定年までに完済可能です。
35歳で返済期間:35年のローンを組みますと、完済は70歳になります。
退職金で補填するか、引き続き働いて返済を続けることになります。
また、大企業といえども、年々退職金は減少する傾向にあります。
会社の業績が傾いて、年収が将来において減少する可能性もあります。
それらに備えるためにも、返済開始年齢は早い方が良いです。
5-5.新築ばかりでなく、中古物件も視野
中古住宅に狙いをつけるのも決して悪くはありません。
新築住宅を購入して鍵の引継ぎが成されると同時に、中古住宅になります。
そうなりますと、価格は途端に約2割~3割下がります。
理由は、新築住宅販売時には、住宅本体価格に
・会社経費
・人件費・広告費
などが、約2割~3割ほど上乗せし販売されているからです。
市場に出た途端に、住宅本体価格のみの評価で売買されますので、価格が下がります。
逆をいえば、築浅の中古住宅を購入する方が、評価額に見合った買い物ができることになります。
6.まとめ
以上、
- 住宅ローンの借入可能額は年収×倍数で検討
- 【年収別】住宅ローンの借入可能額と返済額の早見表
- どれ位の物件購入が可能なのか?
- ライフプラン作成
- 住宅ローン借入の注意点とポイント
について解説しました。
住宅ローン借入額は、年収の6.8倍までに抑えて、無理なく返済できる資金計画立案が重要です。
また、購入時期も大切です。
特に定年退職する年齢を見据え、それまでに住宅ローンを完済する資金計画にしますと、将来に不安を残すことが無くなります。
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なお、「持ち家計画」の詳しい内容につきましては、下記の記事をご覧ください。

8.参考・引用Webサイト
※1 「2021年度 フラット35利用者調査」
住宅金融支援機構
https://www.jhf.go.jp/files/400361622.pdf
9.不動産関連記事








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