マイホームを購入する場合、大半の方が住宅ローンを利用します。
「頭金をいくら準備すれば良いのか?」
「頭金無しで購入すると、後々ローン返済が苦しくなるのでは?」
と、心配の方はいませんか?
実は、頭金には目安があります。
ある程度の頭金を準備しておくことで、経済情勢に左右されなくなります。
この記事では、
- マイホーム購入における頭金準備の理由
- マイホーム購入における頭金の平均値
- マイホーム購入における自己資金
- マイホーム購入における諸費用
- マイホーム購入における頭金無しのリスク
について解説します。
なお、マイホーム購入の流れや注意点については、下記の記事をご覧ください。

1.マイホーム購入における頭金準備の理由

頭金は、マイホーム購入資金の中で、
・自己資金
・親の援助金
など、住宅ローン以外で賄う資金です。
1-1.毎月のローン返済額が減少
頭金を支払う分だけ、
・住宅ローンの借入額
・毎月の返済額
が減少します。

マイホームに住み始めてから、
・生活のやりくり
・突発的な出費に対する負担
が軽減されます。
1-2.住宅ローンの支払総額が減少
住宅ローン借入額が減少しますので、その減少分に対する利息支払総額が減り、返済総額も減ります。
1-3.頭金の準備額により、住宅ローン金利が減少
住宅金融支援機構の「フラット35」を利用する場合、
・頭金が10%以上
準備できるか否かにより、
・住宅ローン金利が0.26%
変わります。
金利が0.26%違いますと、返済総額も違ってきます。

(2022 年7月時点) ※1
- 融資率9割以下:自己資金1割以上
- 融資率9割超 :自己資金1割未満
1-4.金融機関の融資審査を通過し易い
頭金がある程度準備できる人に対して、金融機関としては、貯蓄が出来る人と判断します。
頭金の無い人は、貯蓄ができず、返済能力にも問題があると判断します。
ある程度の頭金の準備は、金融機関の融資審査通過に影響します。
2.マイホーム購入における頭金の平均額

国土交通省が、毎年発表する「住宅市場動向調査」を基にして、頭金の平均額と比率を求めます。
2-1.頭金平均額と頭金比率
下図は、「平成30年度 住宅市場動向調査~調査結果の概要~」(国土交通省)から資料を引用したものです。

(出所:国土交通省) ※2
上図グラフの基になっているデータを挙げますと、下表の通りです。

一次取得者は、マイホーム購入時において、
・頭金平均額:930万円
・頭金比率 :26.3%
であることがわかります。
2-2.新築住宅と中古住宅の頭金の違い
新築住宅と中古住宅とでは、明確に価格帯が違うため、分けて計算しますと、下表の通りです。
ここで新築住宅は、
・注文住宅
・分譲戸建住宅
・分譲マンション
を指し、中古住宅は、
・中古戸建住宅
・中古マンション
を指します。

新築住宅の場合、
・頭金平均額 :978万円
・頭金比率平均値:23.7%
となります。
中古住宅の場合、
・頭金平均額 :859万円
・頭金比率平均値:32.3%
となります。
新築住宅と中古住宅とでは、
・購入資金平均額:1,468万円
の相違があり、
・頭金比率平均値:8.6%
の相違があります。
中古住宅は、経年劣化と共に価格が下がり続けることにより、頭金比率が上がると考えられます。
3.マイホーム購入における自己資金

自己資金と頭金とを分けて考え、
自己資金=頭金+諸経費
とします。
自己資金の準備パターンと資金調達の目安について解説します。
3-1.自己資金の準備パターン
自己資金の割合は、下表に示す3つのケースのいずれかになります。
ただし、設定条件は、下記の通りです。
*1 自己資金=頭金+諸費用
*2 頭金 :物件価格の25%に設定
*3 諸費用:物件価格の3~10%に設定
・新築住宅:3~8%
・中古住宅:5~8%
・注文住宅:10%前後

一般的に「頭金有+諸費用有」のケースが多くなります。
頭金無の場合(フルローン、オーバーローン)、金融機関が、購入物件以外に追加担保を要求してくる可能性があります。
3-2.資金調達の目安
購入総額(物件価格+諸経費)に対する資金調達(自己資金+住宅ローン)の割合を図示しますと下図の通りです。

(バランスシート)
(自己資金=頭金+諸経費)
3-3.物件購入価格を抑えることが重要
そもそも、物件購入価格を抑えることが重要です。
物件購入価格を抑えることができますと、
・頭金
・諸費用
・住宅ローン借入額
を減少できます。
なお、新築戸建てを上手に購入するポイントについては、下記の記事をご覧ください。

4.マイホーム購入における諸費用

マイホーム購入の際、物件価格以外に
・税金
・手数料
などの諸費用がかかります。
一般的に諸費用は、住宅ローンの借入額の対象にはならず、現金で払います。
ただし、金融機関の中には「オーバーローン」といい、諸費用まで融資する場合もあります。
4-1.諸経費の内訳と諸経費率
住宅種別ごとの
・諸経費の内訳
・諸経費率
は下表の通りです。

(〇:必要、Δ:必要な場合と不要な場合とがある、×:不要)
4-2.諸経費の内容
諸経費の内容は下表の通りです。

なお、住宅ローンの保証料については、下記の記事をご覧ください。

5.マイホーム購入における頭金無しのリスク

頭金無の場合、毎月の住宅ローン返済額が増えますが、それ以外にもリスクが生じます。
新築住宅は、購入し引渡しがなされた時点で中古住宅になり、建物評価額は、80%前後になります。
理由は、住宅開発会社が建物価格に様々な経費(約20%前後)
・会社経費
・広告費
・人件費
を上乗せして販売するからです。
購入後、経年と共に建物評価額は落ち続けます。
住宅ローンを利用しますと、金融機関は土地・建物に抵当権を設定します。
ローン返済が滞りますと、
・金融機関は直ちに差し押さえ
・住宅を売却してローン返済に充当
します。
頭金無しですと、売却査定金額が住宅ローン残高に対して不足する場合が大半です。
そうなりますと、
・競売
・任意売却
により不足分の借金だけが、残る状態に陥ります。
尚、住宅ローン返済不能の詳しい内容につきましては、下記の記事をご覧ください。

6.まとめ:頭金の目安は25%
以上、
- マイホーム購入における頭金準備の理由
- マイホーム購入における頭金の平均値
- マイホーム購入における自己資金
- マイホーム購入における諸費用
- マイホーム購入における頭金無しのリスク
ついて解説しました。
新築住宅の頭金比率は23.7%、住宅全体の頭金比率は26.3%となります。
したがって、マイホーム購入における頭金の目安は、25%が妥当と考えられます。

新築住宅は、購入した途端に評価が約8割前後になります。
頭金比率を25%にしますと、融資残高は物件価格の75%になり、購入後の評価減にも対応することができます。
したがって、
売却査定価格<住宅ローン残高
という事態を避けることができます。
マイホーム購入における頭金は、後々のリスクを勘案しますと、多いに越したことはありません。
7.お役立ち情報案内
住宅に関するお役立ち情報を案内します。
ご活用ください。
7-1.住宅ローンを無料で一括比較「モゲチェック」(これから家を買う方向け:借り入れ)
◆サービス概要◆
- モゲチェックは、住宅ローンをお客様に代わって一括比較し、 毎月の返済額や総返済額を抑えたり、 良い条件で借りられる銀行をご提案するオンラインサービスです。
- ご利用は無料、入力時間はおよそ5分で、 ご自分にピッタリの金融機関の提案をスマホやPCで受けることができます。
- ネットバンク、大手銀行、地方銀行などの主要金融機関からご提案をします。
- 結果は即時に表示され、疑問やお悩みは住宅ローンのプロであるアドバイザーとやりとりできます。
- 最新の住宅ローン金利・情報や、 見逃しやすい期間限定の金利などを含めてお得な住宅ローンをご紹介します。
◆特 徴◆
- お客様の登録情報と銀行の審査基準をもとに、主要銀行を一括比較
- おすすめの理由と通る確率がわかる
- よりおトクに借りるためのアドバイスも提示
- ご利用は無料で、住宅ローンのプロにも質問・相談ができる
- 有名TV番組や新聞などでも掲載
7-2.【タウンライフ家づくり】間取りプランを無料で作成
◆サービス概要◆
- 全国600社以上の注文住宅会社があなたの要望や希望に基づいて、家づくりに必要な
「間取りプラン」
「資金計画」
を無料でご提案するサービスです。 - ネットで簡単に複数の住宅会社に、オリジナルの「家づくり計画書」を依頼することができます。
◆メリット◆
- 住宅展示場に行ったり、何度も複数の住宅会社に合わなくても、自宅で家づくりが進められる!
- 複数社のプランを比較・検討できる!
- 利用は全て無料!
なお、「タウンライフ家づくり」については、下記の記事をご覧ください。

7-3.注文住宅資料請求サイト【持ち家計画】
◆サービス概要◆
一度の入力で、複数のハウスメーカー・工務店に資料請求が無料で出来るサイトです。
注文住宅で家を建てたいと思っていても、どこに依頼したら良いか悩む人は多いはず。
持ち家計画では、一度の入力で複数の工務店ハウスメーカーを選ぶことができ、依頼先の検討に最適です 。
無料資料請求だけでなく、全国(離島など一部除く)のハウスメーカーを選択でき、 自宅近くの展示場・店舗への来場申込が可能です。
◆メリット◆
無料資料請求だけでなく、全国(離島など一部除く)のハウスメーカーを選択でき、 自宅近くの展示場・店舗への来場申込が可能です。
なお、「持ち家計画」の詳しい内容につきましては、下記の記事をご覧ください。

8.出所
※1 「【フラット35】 金利情報」(令和2年7月)
住宅金融支援機構
https://www.simulation.jhf.go.jp/flat35/kinri/index.php/rates/top#kensaku
※2 「平成30年度住宅市場動向調査~調査結果の概要~」(平成31年3月)
国土交通省住宅局
https://www.mlit.go.jp/common/001287761.pdf
9.不動産関連記事








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