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不動産「買取り」のメリット・デメリット、仲介との相違点を解説

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マイホーム(戸建て・マンション)を売却したい場合、
「買取りにした方が良いのか?仲介にした方が良いのか?」
と、迷われている方はいませんか?

実は、「買取り」のメリット・デメリットを知ることにより、自ずと使い分けができます。

この記事では、

  1. 仲介と「買取り」の流れ
  2. 仲介と「買取り」の相違点
  3. 「買取り」のメリット・デメリット
  4. 「買取り」を選択した方が良い場合

について解説します。

マイホーム売却時の状況により、得策になる方を選択できるようになります。

目次

1.仲介と「買取り」の流れ

写真1.分譲マンション
Δ写真1.分譲マンション

仲介と買取りの語意や流れを解説します。

1-1.仲介

仲介は、不動産会社を通して、買主や売主を探す方法です。

不動産売却では一般的な方法です。

なお、不動産仲介業については、下記の記事をご覧ください。

あわせて読みたい
不動産仲介業:仕組みや契約の種類、手数料、売却までの流れを解説 不動産を売却したい場合、「どこから手をつければ良いのか?」と、思案に暮れます。 特に、「高く売却するには、どうすればいいの?」「不動産会社を選択するには、どう...

1-2.買取り

買取りは、不動産会社が買取りし、再販する方法です。

買取りには、即時買取と買取保証の2種類あります。

図1.不動産会社による買取り
Δ図1.不動産会社による買取り

1-2-1.即時買取

即時買取りは、売主が売却したい不動産を、不動産会社に買い取ってもらう方法です。

数日から数週間で売却可能です。

1-2-2.買取保証

買取保証は、仲介にて売却を一定期間設け、売却できなければ、不動産会社と事前に取り決めた価格で買い取ってもらう方法です。

高く売却できる可能性を残しながら、定められた期間を過ぎれば、不動産会社に買取りしてもらう方法です。

図2.買取保証
Δ図2.買取保証

1-3.仲介と買取りの流れ

仲介と買取りの流れは下表の通りです。
仲介には時間を要する広告・販売期間がありますが、買取りにはありません。

順序仲 介買取り
売却相談・
価格査定依頼
売却相談・
価格査定依頼
不動産会社から
査定価格の提示
不動産会社から
査定価格の提示
売却依頼・
媒介契約締結
広告・販売期間
買手からの
買取証明書受理
買手と
契約条件調整
不動産会社と
契約条件調整
売買契約締結
手付け金受領
売買契約締結
手付け金受領
残金決済・
引渡・現金化
残金決済・
引渡・現金化
Δ表1.仲介と買取りの流れ

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 ・低価格
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2.仲介と「買取り」の相違点

写真2.戸建て住宅
Δ写真2.戸建て住宅

仲介と買取りの相違点は、
 ・買主
 ・売却期間
 ・売却価格
 ・仲介手数料の有無
に相違があります。

2-1.買主

仲介の場合、買主は主に個人となり、居住目的での購入が多くなります。
買取りの場合、不動産会社が買主となります。
未利用の土地や建物を購入し、リフォーム・リノベーションなどにより付加価値を付け、転売を行う目的で購入します。

図3.買取りと仲介の違い
Δ図3.買取りと仲介の違い

2-2.売却期間

仲介と買取りの最も大きな違いが売却期間です。
 ・仲介は売却期間が長い
 ・買取は売却機関が短い
ケースが多くなります。

2-2-1.仲介の場合

不動産会社は、売買契約を約3か月後に行うことを想定して、売却価格を査定します。

その査定価格が、相場と大きく違ったり、不動産固有の条件である
 ・立地
 ・劣化損傷
 ・維持管理
の状況により、売買契約に至る期間が延長します。

場合によっては、1年超えもあります。

買主候補者が現れても、契約条件などの交渉もあり、売主側の条件との折り合いがつかず、売買契約に至らない場合もあります。

図4.仲介の場合、販売活動が必要
Δ図4.仲介の場合、販売活動が必要

売買契約に至った場合でも、決済が完了するまでに、売買契約から1~2か月を要します。

2-2-2.買取りの場合

買主は、不動産会社となりますので、0から買主の候補者を探すために、広告・販売活動をする必要はありません。
広告・販売期間が不要となりますので、短期間での売却が可能になります。

直接、売主が買主である不動産会社と売買条件などを交渉しますので、売買契約が早く締結します。
買主側の住宅ローン特約も無く、不測の事態が生じる可能性も低くなり、売却決済を早く進めることができます。

2-3.売却価格

仲介の場合、市場相場並みに売却できます。
しかし、買取の場合、売却価格をかなり低く抑えられる傾向にあります。

2-3-1.仲介の場合

仲介の場合、多様な広告を利用して広く買主候補者を募るため、市場相場価格での売買契約に至る可能性が高くなります。
個人の買主が多いため、値交渉も比較的スムースに進みます。

2-3-2.買取りの場合

買取りの場合、不動産会社は、購入した不動産をリフォームやリノベーションを行い、付加価値を付けて転売します。
その上に販売経費・税金などの必要経費や利益を上乗せするため、仲介の場合と比較しますと、不動産会社による買取り価格は低く抑えられます。

目安として買取り価格は、市場相場価格の60%~70%前後になります。

2-4.仲介手数料

仲介の場合、仲介手数料が必要になりますが、買取の場合、不要です。

2-4-1.仲介の場合

不動産会社(仲介業者)へ支払う報酬(仲介手数料)限度額は、宅地建物取引業法で規定されています。

取引金額報酬限度額(税抜き)
200万円以下取引金額×5%
200万円超~
400万円以下
取引金額×4%+2万円
400万円超取引金額×3%+6万円
Δ表2.仲介業者への報酬限度額

【事例1】
不動産の取引金額が4,000万円の場合、不動産会社への仲介手数料限度額は?
(消費税込み)

(4,000万円×3%+6万円)×1.10=138.6万円

となります。

2-4-2.買取りの場合

不動産会社へ支払う報酬(仲介手数料)は不要です。

以上「2-1」~「2-4」までをまとめますと、下表の通りです。

仲介の場合買取りの場合
買主主に個人不動産会社
売却期間売却期間は長い売却期間は短い
売却価格市場相場価格相場の60%~70%
仲介
手数料
必要不要
Δ表3.仲介と買取りの相違点

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3.「買取り」のメリット・デメリット

写真3.分譲マンション
Δ写真3.分譲マンション

買取りは、仲介と比べて買主、売却期間などが異なるため、様々なメリット・デメリットが生じます。

3-1.買取りのメリット

買取りのメリットは、
 ・仲介手数料が不要
 ・売却期間が短い
 ・瑕疵担保責任が免責
 ・内覧が不要
などです。

3-1-1.仲介手数料は不要

買主が、不動産会社のため、仲介手数料は不要です。

3-1-2.売却期間が短い

不動産会社が、直接買取りを行うため、売主と買主との契約条件の折り合いが、早期に実現します。
売却後の資金使途が決まっている売主には、予定通りに計画を進めることができます。

3-1-3.契約不適合責任の免責

民法改正後、「瑕疵担保責任」(*1)に代わり、「契約不適合責任」に置き換えられることになりました。

その理由は、目的物が契約の趣旨に適合しない場合は、特定物売買であったとしても、債務不履行に該当するという考え方によります。

仲介の場合、売主には契約不適合責任が生じます。

ただし、当事者が契約不適合責任を免除することを合意した場合、責任を問われません。

しかし、売主が契約不適合を知っていながら、これを告げずに売買契約を締結した場合、それが信義に反する場合には無効となります。

*1 瑕疵担保責任
不動産を売却後に瑕疵(欠陥)が発覚した場合、売主の買主に対する責任のことです。

なお、瑕疵担保責任・契約不適合責任については、下記の記事をご覧ください。

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3-1-4.内覧は調査のみ

仲介の場合、買主候補者の内覧は必須となり、内覧回数も売買契約ができるまで続ける必要があります。

買取りの場合、不動産会社が現地調査・内覧後に改めて内覧をすることはありませんので、その分の手間が省けます。

3-1-5.多様な種類の不動産を買取り

戸建て・区分マンション以外にも、アパート1棟やマンション1棟などの買取りを行う不動産会社もあります。

図5.アパート・マンション1棟の買取り
Δ図5.アパート・マンション1棟の買取り

3-2.買取りのデメリット

買取りのデメリットは、
 ・売却価格が低い
 ・買取り不可
のケースです。

3-2-1.売却価格が低い

上記でも説明しましたが、売却価格が市場相場価格の60%~70%程度になることが、最大のデメリットとなります。

3-2-2.買取り不可の不動産

「既存不適格」や「再建築不可」の物件は、買取り不可となることがあります。

例えば、

  • 接道条件を満たしていない場合
    (戸建て住宅であれば、2mの接道必要)
  • 市町村の要綱条件を満たしていない場合
  • 建蔽率・容積率の規定を満たしていない場合

などです。

なお、再建築不可物件については、下記の記事をご覧ください。

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また、

  • 建築構造の欠陥
  • 敷地内の擁壁に問題がある場合

なども買取り不可となることがあります。

以上、買取りのメリット・デメリットをまとめますと下表の通りです。

メリットデメリット
仲介手数料は不要売却価格が低い
売却期間が短い買取り不可の
場合もある
内覧が不要
多様な不動産の
買取りが可能
Δ表4.買取りのメリット・デメリット

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4.「買取り」を選択した方が良い場合

上記の
 ・仲介と買取りの相違点
 ・買取りのメリット・デメリット
を鑑みますと、買取りを選択した方が良い状況が、見えてきます。

4-1.築古物件

築古物件の場合、外壁などに損傷・劣化がなくても、隠れた水道管や下水管などが老朽化し、売却後に契約不適合責任により高額な修繕費を要求される可能性があります。

この様なリスク回避のために、買取りは有効です。

また、築古物件は買主候補者にとって、建物や設備の老朽化をイメージさせますので、売却しづらくなります。
この様な場合でも、不動産会社は転売するノウハウを所有していますので、買取りは有効です。

なお、築古戸建ての売却については、下記の記事をご覧ください。

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4-2.早く売却したい場合

不動産会社が買取りしますので、広告・販売期間が不要です。
場合によっては1週間で決済されることもあります。

転勤による引っ越しなど、早く現金化する必要がある場合には、買取りがお勧めです。

なお、区分マンションの売却については、下記の記事をご覧ください。

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4-3.事件・事故物件

殺害や自殺などによる事件・事故物件の場合、買主候補者に対して告知義務が生じるため、仲介での売却は困難を極めます。

図6.孤独死物件
Δ図6.孤独死物件

買取りならば、不動産会社が事情に対応して
 ・付加価値を付けて売却
 ・賃貸で活用
など、様々なノウハウを駆使して早期に売却できます。

4-4.築浅物件でも劣化・損傷が酷い場合

築浅物件でも劣化・損傷により見た目が悪い場合、内覧に来られる買主候補者のイメージは悪くなります。
仲介の場合、売却するのに長期化する可能性が高くなります。

図7.劣化損傷が著しい家
Δ図7.劣化損傷が著しい家

買取りならば、不動産会社がリフォーム・リノベーションにより、魅力的な物件に様変わりする術を知っていますので、早期に売却できます。

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5.まとめ

以上、

  1. 仲介と「買取り」の流れ
  2. 仲介と「買取り」の相違点
  3. 「買取り」のメリット・デメリット
  4. 「買取り」を選択した方が良い場合

について解説しました。

訳あり物件
 ・築古
 ・事件・事故有(自殺・殺人)
 ・劣化損傷が酷い
状態であったり、
 ・早期に現金化したい事情を抱えている
場合に、買取りが有効となります。

最大のメリットは、早期に売却できることです。
最大のデメリットは、売却価格が安くなることです。

買取りの特徴やメリット・デメリットを把握した上で、利用されることをお勧めいたします。

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この記事を書いた人

◆有限会社エクセイト研究所◆

職務:代表取締役
業務:不動産コンサルタント
   不動産投資(大家業)
   不動産ライター・ブロガー
資格:一級建築士
   1級土木施工管理技士
   宅地建物取引士
   測量士
   定借アドバイザー
   マスタースキューバダイバー
認定:プロクラウドワーカー
   認定ランサーズ
趣味:カヤック一人旅
   水辺ウォーキング
   スキューバダイビング
   メタバース:まちづくり
   サックス:JPOP、JAZZ
   

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