戸建の解体工事が、必要になった場合、
「解体工事費用は、いくらかかるのだろうか?」
「解体工事費用を安く抑える方法は、ないものだろうか?」
「解体工事費用は、融資を利用できるのだろうか?」
とお困りの方はいませんか?
実は、解体工事費用を負担軽減する方法があり、かなり抑えることができます。
この記事では、
- 戸建ての解体工事にかかる費用相場
- 戸建ての解体工事が高くなる環境・要因
- 戸建ての解体工事の流れ
- 戸建ての解体工事費用を負担軽減する方法
- 戸建ての解体工事のメリット・デメリット
について解説します。
解体工事費用が高くなる環境・要因を知ることにより、解体工事業者への依頼が適格になり、ある程度正確な解体費用を把握することができます。
1.戸建ての解体工事にかかる費用相場

家の解体費用は、床面積や建築構造、その他の諸条件により異なります。
1-1.単位面積当りの建築構造別解体工事費用単価
単位面積当たりの解体工事費用単価を建築構造別にまとめますと、下表の通りです。
ただし、
・家屋内廃棄物処理費
・整地費用
などは、含まれません。

建築構造別解体工事費用単価
1-2.解体家屋の床面積ごとの建築構造別解体工事費用相場
一軒家を解体する場合、床面積ごとの解体工事費用相場を建築構造別にまとめますと、下表の通りです。

建築構造別解体工事費用相場
2.戸建ての解体工事が高くなる環境・要因

戸建ての解体工事が高くなる環境・要因は、
- 閑静な住宅街
- 解体する家屋と隣地の家屋との間隔が狭小
- 解体する家屋が道路に近い
- 重機などが入れない狭い敷地
- 解体現場の敷地に至るまでの道路幅員が狭小
- アスベスト除去工事や地中障害撤去工事を含む工事
などです。
2-1.閑静な住宅街
閑静な住宅街で行う解体工事は、
・防音対策
・防塵対策
・通行人の安全対策
など、様々な配慮をする必要性があり、解体費用は高くなります。
防音対策としては、解体する家屋の周囲に防音シートを張りめぐらすことが必要です。
防塵対策としては、解体重機が家屋を壊す際、水を散布しながら埃などの飛散を抑える手間が必要です。
これらの対策費用が加算されることにより、解体費用は高くなります。

2-2.解体する家屋と隣地の家屋との間隔が狭小
都心部などの戸建住宅密集地帯では、解体する家屋と隣地の家屋との距離が接近している場合、様々な手間が発生するため、解体費用は高くなります。
良心的な解体業者であれば、解体工事の前に隣接する家屋の事前調査を行います。
- 隣人に対して挨拶、解体工事の案内
- 隣地家屋の事前調査を依頼・承諾
- 隣地家屋の外観写真や壁・柱などの傾きを計測
- 隣地家屋の解体工事前後の比較を、写真や計測数値により検証可能な処置
などです。
また、解体重機で一気に解体工事をすることができないため、手作業が増加します。
これらの手間の増加により、解体費用は高くなります。
2-3.解体する家屋が道路に近い
解体する家屋が、前面道路に接近して建てられている場合、安全確保のために警備員が必要となるため、解体費用は高くなります。

解体工事が始まりますと、
- 解体重機の搬入・搬出
- 解体廃棄物を搬出するための運搬トラックの搬入・排出

などが、頻繁に発生します。
特に、前面道路が通学路になっている場合、子供の登下校時には、安全確保のために警備員を配置して最大限の注意を払う必要があります。

また、解体重機などが、歩行者が通る道路に近い場所で作業を行うため、防護柵などの配置が必須となります。

これらの対策により、解体費用は高くなります。
2-4.重機などが入れない狭い敷地
解体現場の敷地が、狭小地や変形地の場合、
・解体重機などが敷地内に搬入不可
・手作業での解体工事
となり、解体費用は高くなります。
手作業で解体工事を行いますと、解体工期が長期化し、人件費の割合が高くなります。
ただし、手作業で解体工事を行う場合、騒音や振動は小さくなるというメリットもあります。
2-5.解体現場の敷地に至るまでの道路幅員が狭小
解体現場の敷地までに至る道路幅員が狭い場合、解体費用は高くなります。
廃棄物の搬出作業を通常、大型運搬車に積載します。
道路幅員が狭いと、大型運搬車が通行できず、2tトラックでの搬出作業となります。
積載容量は2分の1から3分の1まで下がり、運搬回数は2倍から3倍になります。
運搬効率が悪くなり、運搬費用が高騰し、解体工事費用の高騰に繋がります。
2-6.アスベスト除去工事や地中障害撤去工事を含む工事
解体する家屋にアスベストが使用されていますと、別途アスベスト除去工事を加算するため、解体工事費用は高くなります。
地中に昔の建物の基礎部分や浄化槽などの地中障害物が残っている場合、その撤去工事が必要となるため、解体工事費用が高くなります。

3.戸建ての解体工事の流れ

戸建ての解体工事の流れとしては、
- ステップ1:解体工事業者へ見積依頼・現地調査
- ステップ2:近隣への解体工事案内・隣地家屋の事前調査
- ステップ3:解体工事開始
- ステップ4:後片付け・整地工事
となります。
3-1.ステップ1:解体業者へ見積依頼・現地調査
先ずは,解体工事業者へ連絡をし、見積依頼のために現地調査を依頼します。
家屋の
・構造(木造・鉄骨造・RC造など)
・階数
・形状
・隣地家屋との距離
などの確認を行います。

他にも、
・解体工事現場の敷地面積
・敷地形状
・解体工事現場までの道路幅員
などを確認し、解体重機や廃棄物運搬車の搬入・搬出がスムースに流れるかなどの確認を行います。
さらに、
・庭の樹木や石などの有無
・地中障害物の有無
などの確認を行います。
3-2.ステップ2:近隣への解体工事案内・隣地家屋の事前調査
解体工事業者が決定しましたら、家屋を解体する準備に入ります。
先ずは、
・解体工事の工程
・作業時間帯
・重機や運搬車両などの通行ルート
・連絡先
などを記載した解体工事案内を持参して、解体工事業者による近隣住民への挨拶回りから始めます。
この工事案内を怠り、いきなり解体工事を始めますと、近隣トラブルの元となります。
必ず解体工事案内を行うようにします。

隣地の家屋状況によっては、解体工事の前後における
・家屋の傾き
・破損個所の有無
などを検証できるように、事前調査を行います。
ただし、それらの調査費用は別途必要になります。
また、電気・水道・ガスの供給停止手続きを行い、引込線などの撤去作業を行います。
3-3.ステップ3:解体工事開始
解体工事を開始する前に、解体する家屋の周囲に足場を造ります。
次に防音シートで家屋の四方を覆います。
騒音の軽減や粉塵の飛散を軽減する処置として必要な工事となります。
その後、ドアやサッシなどの建具、設備・器具、備え付け家具などを取外します。
基礎・床・柱・壁・屋根だけの状態になれば、重機などによる解体工事となります。
出てきた廃材は、順次、運搬車両に積載し、処理場へ搬出します。
家屋が無くなれば、基礎部分の撤去工事となり、併せて地中障害物を撤去します。
3-4.ステップ4:後片付け・整地工事
家屋の解体・撤去が終われば、敷地内の後片付けとなります。
廃材やガラス片などの危険物などが残っていないか確認を行います。
確認後、敷地内の整地工事を行い、平らで綺麗な状態に仕上げます。

最後に近隣住民へ再度挨拶回りを行い、解体工事による家屋への影響の有無などを確認します。
影響があれば、対処するようにします。
ここまで行って解体工事は完了となります。
4.戸建ての解体工事費用を負担軽減する方法

戸建ての解体工事費用を負担軽減する方法は、
- 自治体の助成金制度を利用
- 「フリーローン」や「空き家解体ローン」の利用
- 自身で可能な範囲内で不用品処分
- 依頼する解体工事業者を比較
などがあります。
4-1.自治体の助成金制度を利用
自治体によっては、一定の条件を満たせば、家屋の解体費用に対して、数十万円の助成金を交付する場合があります。
助成金の上限金額は、20万円~100万円と、自治体により異なります。
家屋が立地する自治体に、助成金制度の有無や交付金額、条件などの確認を行うようにします。
4-2.「フリーローン」や「空き家解体ローン」の利用
土地の売却を前提とした解体工事費用に対して、
・「フリーローン」
・「空き家解体ローン」
を利用することが可能です。
「フリーローン」は、利用目的を特定せずに利用することが可能なローンです。
様々な金融機関で扱っていますが、融資審査は厳しくなります。
「空き家解体ローン」は、政府からの要請により空き家対策の一環として、提供されている空き家解体専用のローンです。
地方銀行で多く扱っていますが、融資条件が銀行により異なりますので、事前の確認が必要です。
4-3.自身で可能な範囲内で不用品処分
解体工事の費用を抑えるために、自身でできることは、廃棄物の量を減らすことです。
例えば、家屋内の
・家具や電化製品
・衣類、食品
などの家財道具や物品などを処分するだけでも、搬出用トラック1~2台分の費用削減に繋がります。
スマホで利用できる「メルカリ」などに出品して売却処理するのも良策です。

また、敷地内の樹木や雑草、石などの撤去を自身で行いますと、解体工事費用削減になります。
4-4.リサイクル機能を有した解体工事業者を選定
リサイクル業者を活用しますと、廃棄物が金銭に変わる可能性があります。
リサイクル業者に査定依頼しますと、高額の値がついて、引き取ってもらえる物品もあります。
特に、鉄骨造や鉄筋コンクリート造の戸建ての場合、鉄骨や鉄筋を高く買取りする解体工事業者もあります。
したがって、鉄類の買取りに対応可能な業者の選定も、安く抑えるコツとなります。

4-5.依頼する解体工事業者を比較
解体業者の比較検討も、解体費用を安くするために必要です。
解体業者の中には、
・自社で解体工事に必要な重機や運搬車を所有する会社
・下請けに丸投げするだけで自社では解体工事をしない会社
などがあります。
当然、自社で解体工事を全て行う会社の方が、解体費用は安くなります。
しかし、解体工事業者を探すことは容易ではありません。
5.戸建ての解体工事のメリット・デメリット

戸建て解体工事のメリット・デメリットを把握して、解体工事を決行するか否かの判断をすることが大切です。
5-1.戸建ての解体工事のメリット
5-1-1.土地の買い手を対象にできる
家屋を解体し、更地の状態にしますと、土地のみの買い手を対象にすることができます。
売り手と買い手の条件が合えば、早く売却できます。
一般的に、住宅地に土地を購入する人の目的は、新築の割合が多くなります。
古家が残っている状態で売りに出されていても、買い手側で解体する手間が発生し、購入することに、躊躇させる原因となります。
5-1-2.管理が不要
空き家の場合、定期的に家の外観・内観や庭の状態を確認するなどの管理が必要となります。
しかし、解体しますと、管理する手間や費用が不要となります。
家屋を維持する場合、特に夏場など湿気が多い季節では、定期的な換気が必要となります。
それを怠りますと、部屋中にカビが発生し、ダニやノミなどの害虫の温床となります。
また、庭への不法投棄やゴミのポイ捨てなどが生じ易くなります。
なお、空き家についての詳しい内容につきましては、下記の記事をご覧ください。

5-1-3.事故や犯罪のリスクが無い
古家の場合、特に空き家の状態ですと、犯罪者・ホームレスなどの不法侵入により、器物損壊・放火といった事故や犯罪のリスクが生じます。
しかし、解体しますと、事故や犯罪のリスクがなくなります。
家屋がありますと、管理を怠った場合、長期間に亘る不法占拠といった事態になることもあります。
なお、古家についての詳しい内容につきましては、下記の記事をご覧ください。

5-2.戸建ての解体工事のデメリット
5-2-1.固定資産税・都市計画税が高くなる
家屋を解体しますと、固定資産税・都市計画税の納税額は増えます。
土地・建物を所有している場合、土地・建物の固定資産税・都市計画税を納税する義務が生じます。
建物が住宅の場合、「小規模住宅用地の特例」を利用することができます。
土地部分の
- 固定資産税が、1戸当たり200㎡までの部分が6分の1
- 都市計画税が、1戸当たり200㎡までの部分が3分の1
まで減税されます。
建物の固定資産税は経年劣化と共に固定資産税評価額が下がり、固定資産税は年々減少します。

しかし、家屋を解体し更地にしますと、建物の固定資産税は無くなりますが、「小規模住宅用地の特例」が利用できなくなります。
その結果、土地部分の固定資産税の軽減特例は無くなり、6倍になります。
一般的な住宅の場合、
となる傾向にあります。
したがって、 家屋を解体しますと、固定資産税・都市計画税の納税額は増えます。

なお、固定資産税・都市計画税につきましては、下記の記事をご覧ください。

5-2-2.家屋内のゴミは、自身で処分
解体する家屋内のゴミについて、解体工事業者は処分することができません。
もしくは、解体工事業者に依頼する場合、別途処分費用が生じます。

家屋内のゴミ処分費用の目安は、
・一般的な家の場合には、10万円前後
・ゴミ屋敷レベルの場合には、20万円~30万円
は、別途必要となります。
5-2-3.解体後1か月以内に滅失登記が必要
家屋の解体工事が完了すれば、管轄する法務局に対して、1か月以内に建物の滅失登記を行う規定があります。
これを怠りますと、10万円以下の過料が課されます。
5-2-4.再建築不可の可能性
平成4年以前に建築の古家の場合、解体しますと元の家屋の規模と同じ規模の家屋が、建てられない場合があります。
平成4年6月に都市計画法・建築基準法の一部が改正され、用途地域が8種類から12種類へ細分化されました。
(現在は13種類です。)
特に、住居系の用途地域は、ゆとりのある住宅地を形成するために、以前の用地地域での建蔽率や容積率を、厳しく制限する用途地域に変更する必要性が生じました。
例えば、
・建蔽率:50%、容積率:100%の用途地域
が、
・建蔽率:40%、容積率:80%の用途地域
に変更された場合です。
元々の建蔽率・容積率の規定をフルに活用して家屋を建てた場合、用途地域が変更された後では、規定に合わなくなる家屋になります。(既存不適格)
また、解体し、更地にしてから新たに建てる場合には、建蔽率・容積率の規定が厳しくなっているため、以前の建物よりも規模縮小して建てざるを得なくなります。(再建築不可)
さらに、築古物件の場合、接道義務(2m)を満たしていない場合があります。
その際、解体しますと、全然建てられなくなります。(再建築不可)
なお、再建築不可物件については、下記の記事をご覧ください。

5-2-5.住宅ローンは利用不可
解体工事費用に住宅ローンを利用することはできません。
住宅ローンは、住宅を建てるためのローンであり、担保価値も生じます。
解体工事は、住宅が無くなり、担保価値は無いため利用できません。
6.まとめ
以上、
- 戸建ての解体工事にかかる費用相場
- 戸建ての解体工事が高くなる環境・要因
- 戸建ての解体工事の流れ
- 戸建ての解体工事費用を負担軽減する方法
- 戸建ての解体工事のメリット・デメリット
について解説しま した。
解体工事費用は、
- 重機で行えるか、人手を多く要するか
- アスベストや地中障害物などの特殊工事の有無
などにより大きく異なります。
それらの要因を事前に調査・解決するために、解体業者の選定は重要となります。
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