アパート・マンション経営を拡大したい方にとって、資金繰りは最大の課題です。
「フルローンで融資してくれる金融機関はないだろうか?」
「レバレッジを最大限発揮できないだろうか?」
と、悩んでおられる方はいませんか?
実は、オリックス銀行は、一定の条件を充たせば、フルローンで融資する金融機関の一つです。
この記事は、
- オリックス銀行:会社概要
- オリックス銀行:不動産投資ローンの融資条件
- オリックス銀行:融資物件の特徴
- オリックス銀行:融資の注意点、その他
について解説します。
ここでは特に、不動産投資ローンについて、詳しく解説します。
1.オリックス銀行:会社概要
オリックス銀行の会社概要を下表にまとめます。
2.オリックス銀行:不動産投資ローンの融資条件
不動産投資ローンの融資条件である
・年収
・金融資産
・年齢制限
・金利
・融資期間
・借入限度額
・頭金
・保証人
について解説します。
2-1.融資対象者
オリックス銀行所定の資格・要件を満たす人に限り、融資を行います。
その資格・要件は、下記の通りです。
2-1-1.勤続年数
同一勤務先に3年以上勤務している人
2-1-2.居住地制限
居住地制限はなく、全国対応可能です。
ただし、オリックス銀行担当者が出張する場合、別途出張手数料が必要となります。
2-1-3.その他
オリックス銀行住宅ローンプラザに来社可能な人です。
また、団体信用生命保険に加入できる人です。
さらに、現時点での住宅ローンなどの支払いに、直近1年以内に遅延の無い人となります。
2-2.年収
サラリーマンの場合
前年度の税込み年収が、700万円以上です。
返済期間中に安定した収入が見込めることが条件となります。
自営業の場合
前年度の所得が、700万円以上であれば、融資対象となります。
ただし、自営業の場合、年収ではなく所得となります。
・必要経費
・減価償却費
などを差し引いた金額となります。
しかも、3期分の確定申告書の提出を求められます。
前年度1期だけ良くても、他期が悪ければ融資対象とならない可能性があります。
したがって、年収700万円以上のサラリーマン向けといえます。
2-3.金融資産
金融資産の目安は特にありません。
2-4.年齢制限
借入時の年齢が、満20歳以上60歳未満で、最終返済時80歳未満の人となります。
2-5.金利
金利は、投資セレクト金利から店頭表示金利の範囲内において、
・申請内容
・審査結果
などによって決定されます。
・変動金利型
・固定金利期間特約付変動金利型
のいずれかを選択することができます。
2-5-1.投資セレクト金利の適用条件
投資セレクト金利が適用される条件は下記の通りです。
通常融資の適用条件よりも厳しくなりますので、注意が必要です。
①購入不動産が首都圏・近畿圏・名古屋市・福岡市・他の居住用不動産であること
②前年度の税込み年収が700万円以上で、返済期間中安定した収入が見込める人
③借入時の年齢が55歳未満の人
④借入期間は、購入不動産の
・建物耐用年数
・築後経過年数
により、オリックス銀行が規定する期間以内であること
⑤原則、借入金額が購入金額の90%以内であること
となります。
2-5-2.変動金利型
年2回、金利情勢によって金利の見直しが行われる返済方法となります。
オリックス銀行所定の短期プライムレートを基準とし、下記①、②のタイミングで借入利率の見直しを行います。
- 4月1日を基準日とし、同年7月の約定返済分より新利率適用
- 10月1日を基準日とし、翌年1月の約定返済分より新利率適用
2-5-3.固定金利期間特約付変動金利型
変動金利型に、当初一定期間の金利を固定する「特約」を付けた商品となります。
- 特約期間は3年または5年から選択
- 特約期間中は「変動金利型」への変更は不可
- 特約期間終了後は、その時点でのオリックス銀行所定金利での変動金利型に切り替え
ただし融資申請者の希望により、その時点での
・金利
・当初設定特約期間
と同じ期間にて、固定金利期間の延長が可能となります。
上記をまとめますと、年収や年齢による金利の目安は、下表の通りです。
年収などの条件により、金利は1%違ってきます。
貸出金利は、年収や年齢に重点を置いていることがわかります。
2-6.融資期間
借入期間は、1年以上35年以下となります。
中古物件の場合は、構造別に規定されています。
2-6-1.中古物件の建築構造別融資期間
耐用年数切れの物件にも融資します。
建築構造別融資期間の目安は下表の通りです。
2-6-2.中古物件の建築構造別融資期間の事例
例えば、経過年数20年の物件の場合、建築構造別融資期間の目安は、下表の通りです。
2-7.借入限度額
借入限度額は、1,000万円以上、2億円以内となります。
(10万円単位)
借入金額は、
・建築費または購入費の範囲内
・オリックス銀行評価額の範囲内
となります。
借換えの場合、
・上記限度額以内
かつ
・借換え対象のローン残高に
・繰上返済手数料
・諸費用(登記費用、火災保険料、印紙代など)
を加えた額以内
とします。
ただし、1,000万円以下の物件でも、
・中古1R
・中古1K
など、500万円以上であれば借入できる場合もあります。
2-8.頭金
頭金は、最低、
・建築費
・購入費
の10%は、必要になります。
ただし、諸条件により、フルローン(建築費もしくは購入費の100%融資)が可能な場合もあります。
2-9.保証人・共同担保の有無
オリックス銀行が必要と判断した場合、連帯保証人が必要になります。
借入対象不動産の共有者は、原則として連帯保証人とならなければなりません。
借入対象不動産には、オリックス銀行を権利者とする第1順位の抵当権設定をする必要があります。
ただし、共同担保は、必須ではありません。
2-10.フルローン融資の条件
上記は、オリックス銀行の一般的な融資条件となります。
それらを満たした上で、さらに
・年 収: 700万円以上
・金融資産:1,000万円以上
・勤続年数:正社員で3年以上
の条件を満たせば、フルローンを受ける可能性があります。
ただし、他にも個々に審査項目がありますので、確認が必要です。
3.オリックス銀行:融資物件の特徴
融資物件の
・エリア
・対象物件
・コンプライアンス
について解説します。
3-1.融資物件エリア
原則として融資物件対象エリアは、
・首都圏:東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県
・近畿圏:大阪府、兵庫県、京都府、滋賀県、奈良県、和歌山県
・名古屋市、福岡市、札幌市、仙台市、高崎市
・前橋市、水戸市、つくば市、宇都宮市、浜松市
・岐阜市、北九州市、久留米市、熊本市
に限ります。
ただし、首都圏・近畿圏の場合には、
・東京都
・大阪市
の中心部までの公共交通機関(電車・バス)を利用した所要時間が
・首都圏の場合:約1.5時間
・近畿圏の場合:約1時間
以内のエリアとなります。
また、左記エリア内でも取り扱いできない場合があります。
さらに、風俗街近辺も取り扱いができません。
例えば、
・東京都台東区
・横浜市中区
・川崎市川崎区
・名古屋市中区
・大阪市西成区・今里区・生野区
にある風俗街近辺の物件には融資ができません。
一方、
・北関東
・東海圏
はアパート・マンション1棟に限り、取扱いできる場合があります。
3-2.融資対象物件
融資申請者本人が、所有する
・居住用
・賃貸用不動産
に融資を行います。
- アパート・マンション1棟:購入、建築、借換え、建築用地の購入(建築計画のある場合)
- 区分マンション1戸:購入、借換え(専有面積が40㎡以上)
- 一戸建て:購入、借換え
ただし、
・首都圏
・近畿圏
では、40㎡を下回る物件に対しても借入できる場合があります。
区分マンションの場合、間取りが1R・1Kですと、中古物件では20㎡前後が大半となります。
上記の融資下限額とも関連しますが、実際に20㎡前後の1Rや1Kでも借入できる場合があります。
3-3.融資物件のコンプライアンス
融資対象物件が、
・違法物件
・既存不適格物件
・再建築不可物件
に融資はできません。
融資対象物件は、
・建築基準法
・その他法令の定める基準
を満足することが条件となります。
なお、再建築不可物件については、下記の記事をご覧ください。
旧耐震基準で造られた物件(1981年5月までに建築確認許可を受けた物件)に対しても、融資はできません。
4.オリックス銀行:融資の注意点、その他
注意点として
・不動産投資初心者への投資有無
・既存の負債額がある場合
その他として
・団体信用生命保険
・キャッシュフローシミュレーター
・融資目での流れ
・不動産担保ローン
について解説します。
4-1.不動産投資初心者への融資有無
不動産投資の初心者に対しても融資を行います。
その際、不動産会社を通して融資申請を行えば、有利に融資を受けることができます。
大手不動産会社を経由しますと、融資審査が緩くなる傾向にあります。
スムースに借り入れができ、借入期間は、最長35年となります。
特に、大手不動産会社の中でも、オリックス銀行と提携ローンを組んでいる企業を通して融資申請を行えば、金利が1%台で借入できる場合もあります。
中小不動産会社を経由しますと、融資審査が、少し厳しくなる傾向にあります。
借入できたとしても、借入期間は、最長30年となります。
4-2.既存の負債額がある場合の融資額
実際の借入可能金額は、年収の8倍~10倍が目安となります。
ただし、
・住宅ローン
・自動車ローン
などがある場合、左記の借入可能金額からローンなどの負債合計額を差し引いた金額が、実際の融資額となります。
4-3.団体信用生命保険(団信)
団信は、通常の死亡高度障害の他、
・生活習慣病団信
・介護保証付団信
などを選択することができます。
各団信の融資限度額は、
- 新規利用する場合、融資金額が1億円以内
- 既に利用のある場合、既存の借入金額と新たな融資金額との合計額が1億円以内
となります。
【プラン2】と【プラン3】は、同時加入はできません。
4-4.キャッシュフローシミュレーター
不動産物件購入後、賃料・空室率などの将来予測を、AI(人工知能)がシミュレーションします。
賃料・空室率は、不動産の運営収支において、ローン返済できるか否かの重要な要素となります。
この要素に、借入申請者の希望条件を組合わせることにより、最長50年間のキャッシュフローをシミュレーションすることができます。
:サンプル図(※3)
4-5.不動産投資ローン:融資までの流れ
融資までの流れを、下表にまとめます。
4-6.不動産担保ローン(事業性融資)
「不動産投資ローン」以外にも「不動産担保ローン」があり、その借入金の使途として、事業にも融資を行います。
なお、一般的な不動産投資ローンについては、下記の記事をご覧ください。
また、不動産担保ローンについては、下記の記事をご覧ください。
4-6-1.不動産担保ローンの使途
不動産担保ローンの使途を、下表にまとめます。
ただし、
・担保提供不動産の所在地は、
・首都圏
・近畿圏
・名古屋市、福岡市、札幌市、他
に限りますが、借入金の使途である不動産の所在地は、問いません。
・申込みの際、資金使途の証明ができるものとして、
・見積書
・契約書
・請求書
・領収書
・遺産分割協議書
・株式評価証明書
などを確認します。
4-6-2.不動産担保ローンの借入限度額
借入限度額は、原則1,000万円以上2億円以内(10万円以内)となります。
4-6-3.不動産担保ローンの借入期間
借入期間は、1年以上35年以内となります。
4-6-4.不動産担保ローンの金利
不動産担保ローンの金利を下表にまとめます。
(2021 年9月1日現在)※3
5.まとめ
以上、
- オリックス銀行:会社概要
- オリックス銀行:不動産投資ローンの融資条件
- オリックス銀行:融資物件の特徴
- オリックス銀行:融資の注意点、その他
について解説しました。
特に、年収が700万円以上あるサラリーマンが、オリックス銀行と提携ローンを組んでいる大手不動産会社を通して融資申込を行いますと、金利が1%台になる可能性があります。
該当される方は、検討されることをおすすめいたします。
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7.参考・引用WEBサイト
※1 オリックス銀行
※2 「不動産投資ローン」
オリックス銀行
https://www.orixbank.co.jp/personal/property/
※3 「キャッシュフローシミュレーター」
オリックス銀行
https://cashflow.orixbank.co.jp/sample
※4 「不動産担保ローン」
オリックス銀行
https://www.orixbank.co.jp/personal/mortgage/
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