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カヤック一人旅:淀川水系編 その3:琵琶湖縦断

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前回は、カヤックにて奥琵琶湖の永原を出発し、竹生島を横目に見ながら近江今津に到着した様子を綴りました。

今回は、その続きで、近江高島→志賀→堅田と中継しながら、琵琶湖南端の石山に到着するまでの様子を綴ります。
改めて琵琶湖縦断の旅のルートは下図の通りです。

図1.カヤック一人旅:琵琶湖縦断ルート図
Δ図1.カヤック一人旅:琵琶湖縦断ルート図

前回の記事は、下記をクリックしてご覧ください。

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目次

7.カヤック一人旅:漕ぐ前に琵琶湖の様子を確認

写真1.道の駅「びわ湖大橋米プラザ」(出所:道の駅公式ホームページ)
Δ写真1.道の駅「びわ湖大橋米プラザ」
(出所:道の駅公式ホームページ)※1

昨日、キャンピングカーを駐車していた道の駅「びわ湖大橋米プラザ」にて車中泊し、目覚めと同時に琵琶湖の様子を窺います。
幸い今日も晴れて、絶好のカヤック日和となりました。
湖岸のすぐそばに立ち、風を肌で感じながら天候・風向きを予測します。

不思議なもので、カヤックを始めてから川辺や海辺に立つ機会が増えますと、自然と天候の先行きが読めるようになります。
西の空の雲の様子や風向き、空気の乾燥・湿気具合で、これからの天候を感じ取ることができます。

図2.水辺
Δ図2.水辺

特に、注意を要するのが風向きです。
進行方向から逆風を受けますと、自分の体が帆になってしまい、進めなくなります。
それどころか全然違う方向へ、持っていかれることもあります。

実際にそのことを、明石沖において漕いでいる時に経験し、大変な目に会いました。
その体験談は後述します。

キャンプングカーに戻り、先ずお湯を沸かします。
朝飯をパンと珈琲で軽く済ませます。
キャンピングカーのコンロ、冷蔵庫、給湯器、部屋の暖房はガスで賄います。
5Lガスボンベを2本積載していますが、これで約1週間生活ができます。
ただし、ガス式冷蔵庫はなかなか冷えず、ビールもあまり冷えません。

昨日の湖上航行では、ミネラルウォーター2L2本では足りなかったので、3本準備して臨むことにします。
準備が整ったところで、ベースキャンプ地である道の駅「びわ湖大橋米プラザ」を出発し、今日のカヤック到達点である近江高島へ向かうことにします。

写真2.キャンピングカー:社内の様子
Δ写真2.キャンピングカー:社内の様子



8.カヤック一人旅:琵琶湖縦断

近江今津→近江高島→志賀→堅田→石山と、カヤック琵琶湖縦断一人旅の様子を一気に綴ります。
漕いでみて琵琶湖の大きさを改めて実感しました。

8-1.カヤック一人旅2日目:近江今津→近江高島

JR湖西線:近江高島駅と、湖岸の間にある駐車場に、キャンピングカーを停めます。
カヤック道具一式を積載した台車転がしながら、近江高島駅へ向かい電車に乗ります。
出発地である近江今津に向かい、駅で下車し、湖岸へ向かいます。
2日目のルートは、下図の通りです。

図3.カヤック一人旅:2日目ルート図:近江今津→近江高島
Δ図3.カヤック一人旅:2日目ルート図
近江今津 → 近江高島

今日のルートは、琵琶湖に対して半島状に出っ張った地形を廻りこむルートになります。
先ず500mほど沖合に出まして、ゆっくりと漕ぎ始めます。

半島状の地形はキャンプ場になっており、遠目からも家族連れでバーベキューなどを楽しんでいる様子がわかります。
中には、キャンピングカーで来ている家族もありました。
車体からシートを出して日除けの屋根代わりにし、団らんしている様子も窺えます。

小さな子供が、こちらのカヤックに気付いたらしく、大声でこちらに向けて何かを叫んでいますが、遠すぎて何を言っているのかよくわかりません。
適当に両手で丸のサインをすると、納得したらしく?親もとへ戻りました。

風も穏やかで波も無く、無事に近江高島に到着しました。

8-2.カヤック一人旅3日目:近江高島→志賀

3日目のルートは下図の通りです。

図4.カヤック一人旅:3日目ルート図:近江高島→志賀
Δ図4.カヤック一人旅:3日目ルート図
近江高島 → 志賀

近江高島を出発し、沖合500m地点を漕いでいますと、西からウィンドサーフィンをしている女性が、猛スピードでカヤック前方を通過しました。
今日は西からの風があり、その風を捉えて真っ直ぐ対岸に向かって、ウィンドサーフィンが進んでいきます。
いったいどこまで行くんだろうと思いながら見ていましたが、戻る様子はなく見えなくなりました。

それから1~2時間ほど漕いだ時、今度は東からウィンドサーフィンをしている女性が、カヤックの後方を通過しました。
先ほどの女性です。
スピードと時間から推測すると、その女性は琵琶湖の西岸から東岸に到達し、また戻ってきたことになります。

図5.ウィンドサーフィン
Δ図5.ウィンドサーフィン

後ほど知りましたが、近江高島にウィンドサーフィンのワールドカップ女性チャンピオンがいることがわかり、おそらく彼女であったと思います。

ヨットやウィンドサーフィンは、どこから風が吹いても行きたい方向へ行くことができます。
前から向かい風が吹いても、帆の角度を調整することにより、斜め前に進むことができます。
ジグザグに向かい風に対して進むことができます。

図6.風に向かって進むヨット
Δ図6.風に向かって進むヨット
(出所:B&G財団)※2

理屈は数学のベクトルの応用になります。
後日、カヤックに帆を装備することになりますが、風の捕まえ方を教わるために、兵庫県立海洋体育館で、講習を受けることになります。

「すごい女性がいるもんだ」と思いながら、無事に志賀に到着しました。

3日目の航海を終えて:近江高島港護岸
Δ写真3.3日目の航海を終えて:近江高島港護岸

8-3.カヤック一人旅4日目:志賀→堅田

4日目のルートは下図の通りです。

カヤック一人旅:4日目ルート図:滋賀→堅田
Δ図7.カヤック一人旅:4日目ルート図
志賀 → 堅田

志賀を出発してしばらくすると、前方からカヤック5艇ほどのグループがやってきました。
「何のグループですか?」と尋ねると、カヤックの初心者講習とのことでした。
しばらく湖上で話をしていましたが、奥琵琶湖から大阪湾まで行く途中であることを告げると、カヤック講師の方もびっくりしていました。
「そんな人は初めてだ」と言われ、自分でも「そんなに無謀なことをしているのかなあ?」とも思いながら、あまり気にせず前に進むことにしました。

この辺りには、「堅田衆」という船団が、平安時代に存在しました。
源義経が兄の源頼朝から追われる身となり、潜伏していた京から竹生島に逃げ渡る経緯は、前回に記しました。
その時に手助けをしたのが、堅田衆です。
ひょっとして、さっきのグループリーダーは、話しぶりからして堅田衆の子孫なのかなあとも思いながら、先に進みました。

写真4.湖上から見る琵琶湖大橋
Δ写真4.湖上から見る琵琶湖大橋

目的地近くになりますと、前方に琵琶湖大橋のお目見えです。
琵琶湖の西岸と東岸を結ぶ唯一の橋です。
ベースキャンプ地である道の駅「びわ湖大橋米プラザ」も右手に見えます。
琵琶湖大橋の下を潜ると、今日の目的地である堅田に無事到着しました。

8-4.カヤック一人旅5日目:堅田→石山

5日目のルートは下図の通りです。

図8.カヤック一人旅:5日目ルート図:堅田→石山
Δ図8.カヤック一人旅:5日目ルート図
堅田 → 石山

琵琶湖縦断の最終日です。
堅田を出発すると、前方は滋賀県の県庁所在地である大津市街地だけに、目印となる高層ビルが良く見えます。
当時のプリンスホテルですが、現在はその名称のままかどうかはわかりません。
夏に琵琶湖でも花火大会が催されますが、プリンスホテル高層階からの眺めは最高らしいです。

湖上から見るプリンスホテル
Δ写真5.湖上から見るプリンスホテル

しばらく漕ぐと、東から大きな船が近づいてきました。
琵琶湖遊覧船「ミシガン」のお目見えです。
これ位の大きさの舟になりますと、通過した後の波が、そこそこ高くなります。
案の定、高い波がやってきて、カヤックがしばらく揺らされました。

写真6.湖上から見る琵琶湖遊覧船「ミシガン」
Δ写真6.湖上から見る琵琶湖遊覧船「ミシガン」

国道の橋を潜り、JR東海道線の橋も潜ると、終点「石山」です。
これで、淀川水系編の第一部である「琵琶湖縦断カヤック一人旅」は終わりです。



9.カヤック一人旅:琵琶湖縦断のまとめ

初めてのカヤック一人旅の舞台が、琵琶湖であったことは、私にとって非常に良い経験となりました。
危険なことが、何も起こらなかったことが、何よりでした。
ただ一点悔やまれるのは、1日目の旅で、竹生島に上陸できなかったことです。
源義経の潜伏先が、どういう環境にあったのか?
実際にそこに立ち、体験してみたかったです。

また、高島でのウィンドサーフィンの姉ちゃんには感動しました。
これが後日、カヤックに帆を搭載するきっかけになります。
帆で風を掴むコツを習得するために、兵庫県立海洋体育館でヨット講習を受けることになります。

ここからいよいよ川下りが始まり、大阪湾へと向かいます。
仕事の都合で一旦帰途に就き、川用の装備に入れ替え、改めて石山からカヤック一人旅を再開します。
琵琶湖縦断の旅は、平穏無事で終始しましたが、川下りである瀬田川→宇治川→淀川→大阪湾の旅は、波乱万丈となります。
その様子は、次回以降で記します。

次回の記事は、下記をクリックしてご覧ください。

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カヤック一人旅:淀川水系編 その4:瀬田川・宇治川下り 前回までの記事は、奥琵琶湖の永原から出発し、湖南の石山まで5日間かけてカヤック一人旅をしながら、琵琶湖を縦断した様子を記しました。 今回から、琵琶湖から唯一流...

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参考・引用Webサイト

※1 「道の駅「びわ湖大橋米プラザ」」
    道の駅公式ホームページ

https://www.michi-no-eki.jp/stations/views/19410

※2 「小松一憲のヨット講座」
    B&G財団

https://www.bgf.or.jp/lesson/yacht/060428y_01.html

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この記事を書いた人

◆有限会社エクセイト研究所◆

職務:代表取締役
業務:不動産コンサルタント
   不動産投資(大家業)
   不動産ライター・ブロガー
資格:一級建築士
   1級土木施工管理技士
   宅地建物取引士
   測量士
   定借アドバイザー
   マスタースキューバダイバー
認定:プロクラウドワーカー
   認定ランサーズ
趣味:カヤック一人旅
   水辺ウォーキング
   スキューバダイビング
   メタバース:まちづくり
   サックス:JPOP、JAZZ
   

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