前回の記事では、枚方河川公園を出発し、淀川大堰までの穏やかな淀川を漕ぐ様子を綴りました。
今回の記事は、淀川大堰を出発し、いよいよ淀川河口(USJ近くの護岸)にたどり着くことになります。
奥琵琶湖から出発し、琵琶湖を縦断して瀬田川・宇治川・淀川河口と下ってきた「カヤック一人旅:淀川水系編」が完結します。
尚、前回の記事につきましては、下記をクリックしてご覧ください。

19.カヤック一人旅:淀川大堰周辺と「大阪くらしの今昔館」を見学
朝、淀川大堰近くの駐車場に停めてあるキャンピングカーの中で目覚め、喫茶店のモーニングセットを食べたくなり、喫茶店に行きました。

そこに置いてあった新聞を読みながら、今日のカヤックルートを考えていました。
到着地点を漠然と淀川河口と考えていましたが、具体的にどこにするのかを考えていないことに気づきました。
スマホで地図を検索し始めましたが、良いポイントが見つからず、現地の状況もよくわかりません。
「USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)」の辺りで上陸しようと安易に考えました。
電車での移動が伴うため、カヤック到着地点の近くに駅のあることが、条件となります。
その条件に適うUSJ近くの「桜島駅」にゴール地点を設定しました。
この安易な考えが、後で大変な目に会う原因となります。
19-1.「淀川大堰」の周辺を散策
喫茶店を出てキャンピングカーに戻る道中で、淀川大堰周辺を散策したくなり、行ってみることにしました。


淀川大堰と毛馬排水機場は、大阪市内の治水対策として重要な役目を担っています。


ちなみに、2018年9月に発生した台風21号の際、大阪市湾岸部にある三大水門と毛馬排水機場が大活躍をしました。
押し寄せる高潮から大阪市内を見事に守り抜き、大水害にならずに済みました。
もし、三大水門と毛馬排水機場が無ければ、被害総額は17兆円とも20兆円ともいわれています。
こういう良い出来事を、マスコミはあまり報道しません。
批判的なことしか報道しない体質を、何とかしてもらいたいものです。
しかし、関西国際空港は水没し、連絡橋もタンカーが激突して機能不全に陥り、一時孤立状態となりました。
こちらの方は、マスコミは執拗に報道していました。

(出所:大阪府都市整備部)
上記の詳しい内容は、下記の記事に記してありますので、ご覧ください。

水守様である毛馬排水機場に感謝しながら、周辺をぶらぶらと散策しました。
歩きながらふと、近くに「大阪くらしの今昔館」があったことを思い出し、そちらにも寄り道をすることにしました。
なお、淀川大堰周辺をウォーキングした様子を記事にしましたので、ご覧ください。

19-2.「大阪くらしの今昔館」を見学
淀川大堰から少し歩かなければなりませんが、江戸時代の大阪の町並みや風俗を再現した「大阪くらしの今昔館」が大阪市北区天神橋6丁目にあります。




大阪の夏といえば「天神祭」ですが、昔の天神祭を再現した模型が並んでいました。



小一時間ほど館内を楽しんだ後、キャンピングカーに戻りました。
20.カヤック一人旅 淀川下り:淀川大堰を出発
いつものように、キャンピングカーにて本日のゴールとなるUSJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)の近くの駐車場に向かいます。
そこでキャンピングカーを駐車し、台車にカヤック装備一式を積載します。
台車を押しながら、JR西日本のゆめ咲線:桜島駅で乗車します。
途中、西九条駅・大阪駅で乗り換えます。
大阪メトロ谷町線の東梅田駅で乗車し、天神橋筋6丁目駅で下車して、淀川大堰へと向かいます。
淀川左岸の淀川大堰上流側でカヤックを組立てます。
20-1.淀川大堰→USJのルート図
今回の「カヤック一人旅」のルートは、下図の通りです。
淀川大堰より下流側は感潮河川となりますので、海面と同じ水位になります。
引き潮であれば、漕がなくても進めていくことができます。
運悪く満ち潮であったため、河口に向かって漕がないと上流に押し流される事態となり、結構ハードワークとなりました。

淀川大堰 → USJ
20-2.淀川大堰でいったん陸路
前回の「カヤック一人旅:淀川水系編 その6」では、淀川大堰の上流側左岸に上陸しました。

今回は、その上陸ポイントからスタートします。
淀川大堰の下流側左岸と淀川水面との水位差が、直立護岸になっているため、約3mほどあります。
これでは入水できないと判断し、左岸から右岸へカヤックで渡り、右岸に上陸してから淀川大堰の下流側へ地上を移動します。
淀川大堰の右岸下流側は、緩傾斜護岸になっているため、スムースに川に入ることができます。

20-3.満ち潮のため逆流
淀川大堰を出発してすぐ前方に
・水道専用橋
・阪急千里線鉄道橋
・天神橋筋の道路橋である長良橋
と、続けざまに橋の下を潜ります。
次に現れる橋は、
・JR西日本:東海道本線(京都線)
・新御堂筋
・大阪メトロ御堂筋線
と続きます。
大阪の都市交通の大動脈が、淀川を横断します。
川の河口部では、感潮域に入りますと、川と海の水位は同じになります。
潮の満ち引きの影響を受けるため、潮が満ちてくるタイミングで川を漕ぎますと、逆流になります。
あいにく満潮に遭遇し、下流へと向かっているのですが、必死に漕がないと上流へ流されます。
満潮・干潮のことを、全く考慮に入れていなかったため、痛い目に会いましたが、これも良き経験です。
しばらくすると、前方に阪急の鉄道橋と十三大橋が見えてきました。
阪急十三駅が淀川右岸からすぐ近くの位置に立地します。
20-4.十三ターミナル基地構想

2019年に「十三ターミナル基地構想」を、環境総合整備機構が、土木学会関西支部を通して提唱しました。
阪急十三駅は、京都線・宝塚線・神戸線の結節点になります。

(出所:環境総合整備機構)
阪急十三駅は、舟運機能も付加することができます。

(阪急鉄道橋と十三大橋の間にある淀川右岸河川敷)
日本では、「河川法」により、堤防や河川敷といった堤外地に建物を建設することはできません。
しかし、ヨーロッパでは、積極的に堤外地を活用しています。

(出所:東京都都市局)
この構想は淀川堤防上にターミナル基地建設を目論んでいます。
オランダを中心としたヨーロッパで広がるダイクハウス(堤防住居)方式を検討しています。
ダイクハウスの内容は下記の記事に記してありますので、ご覧ください。

20-5.淀川河口に到着
十三大橋を通過しますと、
- 新十三大橋
- JR西日本:東海道線(神戸線)
- 淀川大橋
- 阪神電鉄本線
- 阪神高速3号神戸線
- 阪神なんば線
- 国道43号線
- 阪神高速5号湾岸線
を潜り、ようやく大阪湾へたどり着きます。
21.カヤック一人旅:ゴール地点に到着
淀川河口部に出て、南側に進路を変え、ゴール地点を目指します。

進行方向右手に人工島の舞洲が見えます。
次に現れる人工島は夢洲で、2025年開催予定の「大阪国際博覧会」会場です。
この時点では、何も無いただの島でした。
21-1.港大橋
進路を東へ変更しますと、前方に赤いトラス橋である港大橋が見えてきました。
何とも言えない美しい橋です。

21-2.ゴール地点(USJ護岸部)での格闘
北東側に進路を取ると、ゴール地点が見えてきました。
いよいよ「カヤック一人旅:淀川水系編」のラストスパートです。
最後の力を振り絞って護岸に近づきますと、徐々に雲行きが怪しくなってきました。
何とゴール地点は、高さ5mもある直立護岸になっていたのです。

地図上で調査したので、標高は記載されていません。
どうしようか迷っていると、不幸中の幸いなことに直立護岸に「はしご」があるのを見つけました。
コンクリート表面に鉄パイプが差し込まれている形状の「はしご」です。
これがあれば上陸できますが、ここからカヤックを引きずり上げなければなりません。
しかし、さすがにここまで満ち潮による逆流を漕ぎ続けてきたため、疲れ果てていました。
先ずは自分だけ「はしご」を登って直立護岸の上でしばらく休憩することにしました。
その際、「天ヶ瀬ダム越え」でも活躍した長さ20mのロープを常備していました。
ロープをカヤックに「もやい結び」でくくり、ロープを担いで「はしご」を登ります。
10分ほど休憩してから、重量約30㎏になるカヤックをロープで引きずり上げました。
引きずり上げた後は、カヤックの横で30分ほど仰向けで寝ていました。
ようやく「カヤック一人旅:淀川水系編」が終わったという感動で一人悦に入っていました。
奥琵琶湖を出発してから、延べ9日間の一人旅となりました。
21-3.日本酒「プリンセスミチコ」を飲みながら・・・
それからカヤックを解体してカバンに収納し、近くの駐車場に停めてあるキャンピングカーに戻ります。
シャワーを浴びて汗を流し、しばらくベッドで休憩しました。
その後、キャンピングカーでJR西九条駅界隈まで出ていき駐車場に停め、目についた居酒屋に入りました。
先ずは、冷えたビールを飲み干し、山形の酒「南部美人」を冷で頼みます。
肴はクロダイとカツオにしました。
店の女将さんが「南部美人」の上位ランクの酒である「プリンセスミチコ」を教えてくれましたので、それも冷で頼みまます。
「南部美人」も美味いのですが、その上位にある「プリンセス美智子」はさすがに美味かったです。
美味い酒にめぐり逢い、一人で上機嫌になって飲んでいました。
ここで番狂わせが起こります。
先ほどまで「カヤック一人旅:淀川水系編」は完了と思っていました。
しかし、急に延長して瀬戸内海を漕ぎたくなってきました。
ここまでの旅は、カヤックとキャンピングカーと鉄道を利用しての旅でした。
この方式で、どこまで行けるか試したくなったのです。
差し当たり、兵庫県の西端まで漕いでみたくなりました。
しかし、区切りがついたので、今夜も夜遅くまで飲んだ後、キャンピングカーで宿泊です、
明日の朝には、一旦自宅に戻ることにしました。
今度は海を漕ぎますので、若干装備が違ってくることもあります。
あれこれルートを考えながら、「プリンセスミチコ」を冷でちびりちびり味わい続けました。
尚、次回の記事は、下記をクリックしてご覧ください。

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