二世帯住宅の規模を検討する際、その物差しが必要になります。
「どれ位の規模の二世帯住宅が建築可能か?」
「どれ位の土地面積が必要になるのか?」
と、お困りの方はいませんか?
実は、その目安がわかれば、建築計画・資金計画が立てやすくなります。
この記事は、
- 二世帯住宅の規模を検討する上で必要な基礎データ
- 二世帯住宅に必要な延床面積
- 二世帯住宅に必要な土地面積
- 二世帯住宅の建築費(目安)
について解説します。
なお、二世帯住宅の同居スタイルについては、下記の記事をご覧ください。

また、二世帯住宅のメリット・デメリット、建築費、諸経費の目安については、下記の記事をご覧ください。




1.二世帯住宅の規模を検討する上で必要な基礎データ




建物規模を制限する指標の中に
・建蔽率(けんぺいりつ)
・容積率(ようせきりつ)
があり、両者とも地方自治体が作成する都市計画図において規定されています。
大まかにいえば、
- 建蔽率は、建物の水平方向の床面積を制限
- 容積率は、建物の垂直方向の総床面積を制限
します。
都市計画図には、他にも土地利用を定めた用途地域が記されてあり、
・住居系
・商業系
・工業系
に分類されます。
1-1.建蔽率(けんぺいりつ)
建蔽率により、建てられる建物の水平方向の床面積が制限されます。
建築面積は、建物の水平投影面積ともいえます。
用途地域により建蔽率が決められています。
市区町村のWEBサイトで確認することができます。




(出所:国土交通省)
【事例1】
敷地面積:200㎡、建蔽率:60%の土地の場合、建築面積の上限値は?
建築面積=200㎡×60%÷100=120㎡
となり、建築面積は120㎡まで建てることができます。
同様に建蔽率、敷地面積の違いによる建築面積の上限を求めますと、下表の通りです。




1-2.容積率(ようせきりつ)
容積率により、上層階も含めた建てられる建物の垂直方向の床面積合計が制限されます。
延床面積は、建物各階の床面積の総和になります。
用途地域により容積率が決められています。
市区町村のWEBサイトで確認することができます。




(出所:国土交通省)※1
【事例2】
敷地面積:200㎡、容積率:200%の土地の場合、延床面積の上限値は?
延床面積=200㎡×200%÷100=400㎡
となり、上層階(1~3階)を含めて400㎡まで二世帯住宅を建てることができます。
同様に容積率、敷地面積の違いによる延床面積の上限をまとめますと下表の通りです。




(前面道路幅員5m以上)
道路幅員による容積率
ここで注意しないといけないことは、容積率は道路幅員でも制限されることです。




住居系の用途地域であれば、道路幅員に40%を乗じた数値が容積率になります。
商業系・工業系の用途地域であれば、道路幅員に60%を乗じた数値が容積率になります。
・用途地域で決められた容積率
・道路幅員で決まる容積率
とを比較して、小さい数値の方が、その土地の容積率となります。
<住居系の用途地域>
例えば、用途地域で決められた容積率が200%で、道路幅員4mの場合、容積率は160%となります。




(出所:国土交通省)※1
<商業系・工業系の用途地域>
例えば、用途地域で決められた容積率が300%で、道路幅員4mの場合、容積率は240%となります。




(出所:国土交通省)※1
用途地域ごとの道路幅員に乗じる数値を下表に記します。
(建築基準法第52条)




(建築基準法第52条)
注意点として、二世帯住宅を含めた住宅は、工業専用地域内で建てることはできません。
その他の用途地域では、建てることができます。
【事例3】
二世帯住宅を検討している土地は、住居系用途地域内にあるものとします。
敷地面積:200㎡、用途地域で決められた容積率:200%、道路幅員:4mの場合の容積率と延床面積の上限値は?
①用途地域で定められた容積率:200%
②道路幅員で決まる容積率
4m×40%=160%
①と②を比較して小さい数値が採用されますから、この土地の容積率は160%となります。
延床面積の上限値は、
200㎡×160%÷100=320㎡
となります。
【事例2】と比較して同じ敷地面積ですが、容積率・延床面積ともに小さくなることがわかります。
2.二世帯住宅に必要な延床面積




同居スタイルの違いによる延べ床面積は、




の記事より、
- 完全同居型二世帯住宅の平均延床面積:51坪
- 一部共有型二世帯住宅の平均延床面積:59坪
- 完全分離型二世帯住宅の平均延床面積:64坪
- 単世帯住宅の平均延床面積:43坪
でした。
これらの数値から考察しますと、概ね二世帯住宅に必要な延床面積の目安は、下表の通りです。




2-1.完全同居型二世帯住宅の間取り




2-2.一部同居型二世帯住宅の間取り




2-3.完全分離型二世帯住宅の間取り




3.二世帯住宅に必要な土地面積




建蔽率・容積率の違いによる二世帯住宅に必要な延床面積を確保するのに必要な土地面積の目安は、下表の通りです。




最低限必要な土地面積の目安
(2 階建て)
ここでの二世帯住宅は、総2階建て(直方体)に設定しています。
(平屋、3階建て、複雑な間取りになりますと、必要な土地面積は増減します。)
また、実際の容積率は、道路幅員にも制限されますが、ここでは考慮しないものとします。
さらに、高さ制限・隣地との距離も、考慮しないものとします。
個別の土地条件による建築面積・延床面積につきましては、建築士に相談されることをおすすめします。
※ 当社でも無料で相談に応じます。
4.二世帯住宅の建築費(目安)




二世帯住宅の建築構造別の建築費は、上記の
「表4.二世帯住宅に必要な延床面積(目安)」
と、




の記事中の
「3-4.建築構造と延床面積の違いによる建築費の目安」
とを合わせて求めますと、下表の通りです。




築費の目安(土地代除く)
5.まとめ
以上、
- 二世帯住宅の規模を検討する上で必要な基礎データ
- 二世帯住宅に必要な延床面積
- 二世帯住宅に必要な土地面積
- 二世帯住宅の建築費(目安)
について解説しました。
二世帯住宅は、単世帯住宅と比較しますと、
・延床面積は、1.33倍広い
・建築費は、1.36倍高い
・平均坪単価は、1.02倍高い(ほぼ変わらない)
ことが、下記の記事によりわかります。




二世帯住宅は高価になりますので、親世代・子世代が本音ベースでコミュニケーションを取りことが大切です。
必要な
・同居スタイル
・間取り
・床面積
・資金計画
などを、調整しながら立案する必要があります。
それらを解決する方法の一つとして、
6.お役立ち情報案内
住宅に関するお役立ち情報を案内します。
ご活用ください。
6-1.【タウンライフ家づくり(二世帯住宅特集)】間取りプランを無料で作成
◆サービス概要◆
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6-2.注文住宅無料資料請求サイト【持ち家計画】
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なお、「持ち家計画」の詳しい内容につきましては、下記の記事をご覧ください。




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サイト開設から5年以上、累計利用者数30万人を超える総合リフォーム比較サイトです。
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なお、「リフォーム比較プロ」の詳しい内容につきましては、下記の記事をご覧ください。




7.参考・引用Webサイト
※1 「建築基準法制度概要集」
国土交通省
8.不動産関連記事
































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