都市の水辺をウォーキングしますと、城郭に出会う機会がよくあります。
特に、天守閣のある街は、それだけで風格が出ます。
特に平城は、水辺の近くに築城されます。
・敵からの防御
・舟運による流通の確保
・飲料水の確保
などに優れているからです。
今回の記事は、江戸城(現在の皇居)内堀を水辺ウォーキングした後、天守台などを見学した様子を紹介します。
なお、大阪城、松山城、津山城見学については、下記の記事をご覧ください。



1.江戸城の概要

(出所:江戸図屏風)
江戸城は、日本の歴史と文化において重要な役割を果たした城郭の一つです。
江戸城は、東京(当時は江戸)の中心に位置し、江戸時代には将軍の本拠地として機能し、日本の政治、経済、文化の中心となりました。

江戸城はその美しい水辺建築と堀の構造で知られ、日本の城郭の代表的な存在として栄えました。

2.江戸城築城の背景・経緯
江戸城の歴史は、築城の経緯から始まります。
江戸城は、徳川家康によって築城されました。
2-1.江戸城築城の背景
その築城は、北条攻めに勝利した後、豊臣秀吉による理不尽な命により、徳川家康が江戸に国替えすることになった後に始まりました。
当初、家臣団の猛反対にあいましたが、家康は関東に広がる
・広大な平地
・豊富な水資源
・豊富な材木(建設資材)
などに目を付けます。
家臣団を説得し、北条攻め勝利の一か月後には江戸に入ります。
2-2.江戸城築城の経緯
家康は、鷹狩と称しては関東一円を視察に廻ります。
秀吉に遊んでいるように見せかけるためです。
その裏では、大阪城を超える堅固な江戸城建築プランが着々と進んでいました。
ぬかるんだ湿地帯・海に対して、大規模な埋立て工事が施され、
・神田上水
・玉川上水
・利根川東遷
・荒川西遷
などの上水・治水工事を実施しながら江戸城が建設されました。
人口百万人に対応できる、当時としては世界一の都市となります。
秀吉は、よもや江戸城が大阪城を超えるとは、想像だにしなかったでしょう。
その後、江戸時代に徳川将軍家の本拠地として数世代にわたり使用され、城郭の規模や美しさが向上しました。
江戸城の築城において特筆すべき点は、周囲を水に囲まれた位置にあることです。
この水辺建築は、城を防御するだけでなく、美的価値も高めました。
江戸城は、堀として知られる水の運河で囲まれており、城の外側にあたる部分には高い城壁や堀切を備えています。
2-3.江戸城天守閣建替え・改築の経緯
江戸城の天守閣は、
・初代将軍家康の「慶長度天守」
・2代将軍秀忠の「元和度天守」
・3代将軍家光の「寛永度天守」
と、3代に亘り3度築かれ、元号にちなんで命名されました。
天守の場所は異なり、
・慶長度天守は、本丸中央西側
・元和度天守は、本丸の最北部
(現在の天守台付近)
・寛永度天守は、本丸の最北部
(現在の天守台付近)
に築かれました。
元和度天守と寛永度天守の天守台は、ほぼ同じ位置に築かれました。
しかし、向きは変えられました。
3代の天守閣を比較しますと、下表の通りです。

3.江戸城の濠

江戸城の濠は、その美しさと機能性で知られています。
濠の水は運河としても活用され、城の周りに水運を提供し、城下町への物資輸送に用いられました。
また、濠は城の防御システムの一部として機能し、城を攻撃から守る役割を果たしました。
濠の幅や深さは、敵が城に侵入するのを難しくし、城の守備を強化しました。

江戸城の濠は、四季折々の美しい景色を提供し、城郭の美的価値を高めました。
桜の季節になると、桜の木が濠の周りに咲き誇り、日本中から多くの人々がこの美しい景観を楽しむために訪れました。
このように、江戸城は水辺建築としての優れた例であり、日本の城郭建築と歴史において重要な存在です。その美しさと機能性は、現代においても多くの人々に魅力を提供し続けています。
なお、江戸湊・舟運については、下記の記事をご覧ください。

4.江戸城内見学:内濠ウォーキング
JR東京駅中央口(丸の内側改札口)を出て真っすぐ西北西に向かいますと、馬場先濠沿いにある和田倉門の交差点があり、江戸城(現:皇居外苑)が現れます。
4-1.江戸城内見学ルート
江戸城内を見学したルート図は、下図の通りです。

4-2.桔梗濠(きっこうぼり)と巽櫓(たつみやぐら)
和田倉門をさらに西北西に真っすぐ歩きますと、桔梗濠が現れます。
桔梗濠沿いに歩きながら、巽櫓・桔梗門を見学します。


4-3.蛤濠(はまぐりぼり)と坂下門
桔梗門を後にし南南西に進みますと、坂下門が現れます。


4-4.二重橋濠(にじゅうばしぼり)と二重橋
坂下門を後にし二重橋濠沿いを南南西に進みますと、皇居正門と二重橋が現れます。


4-5.桜田濠(さくらだぼり)と桜田門
皇居正門を後にし桜田濠沿いを進みますと、桜田門が現れます。

江戸城南側の玄関口である桜田門です。

皇居内側から撮影

皇居外側から撮影
ちなみに、幕末に生じた「桜田門外の変」は、この付近で起きたのでしょうか?
薩摩藩士・水戸藩士による井伊直弼殺害は、幕末における大きな転換点となりました。
桜田門を後にし、桜田濠沿いを北西へ向かいます。
ここから登り坂がしばらく続きます。




4-6.半蔵門(はんぞうもん)
桜田濠沿いに登り坂を歩きますと、江戸城西側の玄関口である半蔵門に到達します。


家康が江戸に入府した当初、日比谷入り江の海岸線は、この辺りであったと考えられます。
家康は、半蔵門のあった高台から日比谷入り江を見渡して、江戸を大阪を超える大都市にする構想を描いたのでしょう。
また、玉川上水を多摩川の羽村から引き込んでいますが、半蔵門の下部を通して江戸城の上水に用いていると思われます。

江戸時代初期
ちなみに、玉川上水の水を外濠に流入して外濠の水質改善を図るプロジェクトが、中央大学名誉教授:山田正先生を中心として進められています。
その内容については、下記の記事をご覧ください。

4-7.千鳥ヶ淵(ちどりがふち)
半蔵門から千鳥ヶ淵となります。


千鳥ヶ淵では、貸しボートが遊覧しています。(写真18)
4-8.田安門(たやすもん)
千鳥ヶ淵沿いに北へ歩きますと、江戸城北側の玄関口である田安門に到着します。(写真19)


田安門に通じる前門を通りますと、目の前に日本武道館が現れます。(写真20)
また、立派な田安門があります。


田安門周辺を下図に示します。

4-9.牛が淵(うしがふち)
田安門を通過しますと、次の内濠は、牛が淵です。
牛が淵の名前の由来は」、九段坂が急勾配であるため、牛車が落ちそうである処からきています。


4-9-1.葛飾北斎「くだんうしがふち」
葛飾北斎が壮年期に洋風風景画に挑戦していた際、牛が淵をモデルに「くだんうしがふち」を描きました。

4-9-2.3代広重作『東京名所図会』「九段下牛が淵」
3代広重が、『東京名所図会』において「九段坂牛が淵」を残しています。

牛が淵と清水濠との間に名称不明の橋と門がありました。(写真25、写真26)
どなたかご存じの方がいらっしゃいましたらご教示をお願いします。


4-10.清水濠(しみずほり)
牛が淵を後にし次に現れる濠は、清水濠です。(写真27)


日本橋川右岸、雉子橋上流側
清水濠と日本橋川との距離は非常に近いです。
日本橋川右岸、雉子橋上流側に、清水濠と日本橋川とを繋ぐ排水管のようなものがあります。
ここで清水濠の水位を調整しているのかもしれません。(写真28)

なお、日本橋川ウォーキング(雉子橋周辺)については、下記の記事をご覧ください。

4-11.大手濠(おおてぼり)
清水濠沿いに南東の方向へ歩き、平川門に到着します。
平河門から東側は大手濠になります。

5.江戸城内見学:天守台・本丸・二の丸
平河門を通り、二の丸・本丸・天守台へと向かいます。
5-1.平川門(ひらかわもん)
平河門は、清水濠と大手濠の境に位置しますが、出島のような地形に建ちます。
いわゆる馬出(うまだし)と考えられます。
馬出(うまだし)
城の虎口や城門を掩護するために、その前に設ける土塁や石塁


5-2.天神濠(てんじんぼり)と宮内庁庁舎
平川門を通過しますと、天神濠や宮内庁庁舎が現れます。


5-3.天守台
宮内庁庁舎を通過しますと、天守台が現れます。


天守台の案内板が立っていましたので、その記載文を引用します。
いつも江戸城を見ますと、「天守閣があればいいのになあ」と思います。
なお、NPO法人 江戸城天守を再建する会が、YouTube動画を公開しています。
「江戸城天守再建に向けて 」
出所:NPO法人 江戸城天守を再建する会
5-4.大奥跡
かつて、大奥があった所です。

現在は、広場になっています。
5-5.大手門
大手門に出てきました。


城内から撮影

城外から撮影

手前は大手濠
6.まとめ
以上、
- 江戸城の概要
- 江戸城築城の背景・経緯
- 江戸城の濠
- 江戸城内見学:内濠ウォーキング
- 江戸城内見学:天守台・本丸・二の丸
について案内しました。
江戸城の内濠は本当に素晴らしいです。
東京都心の喧騒とした雰囲気があまり感じられず、景観が良く心穏やかに過ごすことができます。
それだけに、余計に天守閣の無いのが残念です。
上記にもしましたが、江戸城再建運動をしている方たちと協力し、啓発活動をしていきたいと考えます。
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なお、クロスハウス:ワンルームの詳しい内容につきましては、下記の記事をご覧ください。

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なお、レゾナンス:バーチャルオフィスの詳しい内容については、下記の記事をご覧ください。

8.参考・引用Webサイト
※1 「江戸城の天守」
攻城団
https://kojodan.jp/castle/18/memo/607.html
※2 NPO法人 江戸城天守を再建する会
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